早いもので、街を歩けばクリスマスの飾りが目に付く季節。そんなムードに浮かれている人にもそうでない人にも朗報だ。結成48年目、〈米国版パブ・ロック・バンド〉とも称される稀代のライヴ・バンド、NRBQのクリスマス・アルバム『Christmas Wish』が久々のリイシュー!

収録曲“Jolly Old St. Nicholas”

 

世界的に熱いファンがおり、ミュージシャンからの支持も厚いことで知られるNRBQの作品のなかでも人気の高い『Christmas Wish』は、78年に自主制作EPとしてリリースされ、95年には12曲入りで初CD化。以降、何度かリイシューが繰り返されている。今回の再リイシューは、2007年の19曲入りデラックス・エディションにリマスタリングが施された紙ジャケット仕様の日本盤。アートワークは86年の12インチの際のデザインを忠実に再現したもので、黄金期を築いたメンバーである4人が揃った通称〈パジャマ・ジャケ〉だ。

NRBQ Christmas Wish-Deluxe Edition- HAYABUSA LANDINGSLO/ST HOUSE ARCHIVE CLUB(2015)

“Jolly Old St. Nicholas”をはじめスタンダードなクリスマスソングを中心にライヴ・テイクも含めた全19曲。みんなでワイワイ楽しむのはもちろんだが、一人きりで聴いていたとしても、何か温かなもの(筆者は長毛種の犬をイメージした)がそっと寄り添ってくれるような優しさに溢れた一枚。なかでもタイトル曲となるオリジナル・ナンバー“Christmas Wish”は、メンバーのジョーイ・スパンピナート作のポップでありつつもどこか物悲しさ漂うメロディーに胸が締め付けられる。

ちなみに同曲は趣のあるカヴァーが多く存在し、なかでも嶺川貴子によるものと、シー&ヒムの2011年作〈彼女と彼のクリスマス〉に収録されたヴァージョンは必聴!