こういうバンドのあり方を私たちは何年も忘れていた気がする。こういうあり方──つまり各々の演奏スキルが恐ろしく高く、ロックの型を一応は取りながら、キャッチーでラジオ・フレンドリーなメロディーを奏で、フュージョン的な曲展開を折り合わせるあり方。いまの時代にそうしたアプローチをするトリオがスウェーデンにいたのがまずおもしろく、デヴィッド・フォスターもこのスタイルを改めて音楽シーンに問いたくて契約したのだろう、きっと。TOTOシャカタクスティーヴィー・ワンダーにと、既聴感のあるフレーズを挿みつつ、80年代のビッグ・ロック的な曲もEDMも網羅。それでいて不思議と一貫性が感じられるのは、アレンジ力が優れているからか。懐かしさ込みで新しいですね。