ダーティ・ループスが2022年8月31日(水)、9月1日(木)にビルボードライブ東京で、9月3日(土)にビルボードライブ横浜で、9月5日(月)にビルボードライブ大阪で来日公演を開催する。

ボーカル/キーボードのジョナ・ニルソン(Jonah Nilsson)、ベースのヘンリック・リンダー(Henrik Linder)、ドラムスのアーロン・メルガルド(Aron Mellergård)の3人からなるストックホルム出身のバンド、ダーティ・ループス。ユニバーサル ミュージックのバイオグラフィーによると、メンバー全員がヨーロッパ最古の音楽学校である王立ソードラ・ラテン音楽学校からスウェーデン王立音楽アカデミーへ進学したという超エリート集団だ。

ジョナは、両親が教会で働いていた関係で、言葉を覚える前の1歳から教会の聖歌隊で歌っていた神童だったという。彼は11歳でピアノを弾きはじめ、さまざまな音楽学校にて学び、高校時代にミュージシャンとしての活動をスタートさせた。その後、大学1年生の頃にはダニー・ソーセドのツアーバンドに参加し、コーラスとピアノを担当した。ジョナのプレイを見た多くのアーティストが彼に仕事のオファーをしたといい、ジェニー・バーグレン(エイス・オブ・ベイス)の作曲とプロデュースを行った。

ジョナ・ニルソン&루카스(LUCAS)の2018年のシングル“Coffee Break (Feat. Richard Bona)”

ヘンリックは4歳からピアノを始め、管楽器などにも手を出したのち、13歳でベースにたどり着いたそうだ。ロックが好きで、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーに憧れていたが、10~15歳のときに学んだ音楽学校ではマーカス・ミラーなどロックに限らない幅広いジャンルのベーシストを研究し、16歳からセッションワークを行っていた。

ジャック&オウェインの2021年作『Chapter One: Shredemption』収録曲“U.T.F.F. (feat. Henrik Linder)”

そして、アーロンは両親が歌手・プレイヤーという音楽一家に育ち、いちばん上の兄からの影響でドラムを始めた。TOTOから強く影響を受け、15歳のときにストックホルムのほとんどの音楽学校の入試オーディションを受け、すべてのオーディションで史上最高得点を叩き出して伝説になったという凄腕演奏家だ。

アーロン・メルガルドの2016年の演奏動画

そんな〈恐るべき子どもたち〉な3人は、王立ソードラ・ラテン音楽学校で出会い、スウェーデンの王立音楽アカデミーに進学後、必然的にバンドを結成した。しかし、バンドはレーベルとは契約せずに、みずからのサウンドを試行錯誤して作り上げ、インターネット上で発信していくスタイルを取った。

〈映像をアップしても、誰にも観てもらえなければ意味がない〉という思いから、検索されやすく、人の目に留まりやすい人気アーティストの曲をカバーしてYouTubeにアップしたダーティ・ループス。すると、ジャズ/フュージョンやファンク的なアレンジの斬新さ、圧倒的なグルーヴや演奏力、そしてジョナの美しい声が瞬く間に話題になった。ジャスティン・ビーバー“Baby”、アデル“Rolling In The Deep”、アヴィーチー“Wake Me Up”などの強烈なカバーを次々と発表し、デビュー前でありながらも動画の再生回数は累計で1,400万回を超えたそうだ。

2011年のジャスティン・ビーバー“Baby”のカバー

2012年のアデル“Rolling In The Deep”のカバー

2014年のアヴィーチー“Wake Me Up”のカバー

急激に注目を集めるなか、ダーティ・ループスの映像を観て彼らに惚れ込んだのが、名門ヴァーヴの社長にして超大御所プロデューサーのデイヴィッド・フォスターだった。フォスターは、バンドを1年近くかけて口説き落として契約を勝ち取ったという。そして、2012年に彼らはデイヴィッド・フォスター&フレンズのツアーに帯同して話題を呼んだ。