インタビュー

ダーティ・ループス(Dirty Loops)、灰から蘇った不死鳥のようなバンドを体現する復帰作『Phoenix』

灰から蘇るように復活した〈不死鳥〉のように――6年ぶりに新作『Phoenix』を発表!

 ストックホルムで外出規制が強化される中、ダーティ・ループスの3人はそれぞれ自宅に待機し、Zoom越しに姿を見せてくれた。コロナ禍では行動が制限されたが、創作に集中できる良い機会でもあったようで、「いま3人が凄く結束していて、音楽的にも次のレヴェルに達している」とヴォーカル/キーボードのジョナ・ニルソンは話す。2014年のデビュー・アルバム以降、個々の活動はあったが、オリジナル曲のリリースがほぼ途絶えた理由についてベースのヘンリック・リンダーは「どう先に進めばいいか迷っていた」と言い、ドラムのアーロン・メルガルドも「一時はこのまま続けられるのか不安だった」と告白。が、現在はその状況から脱し、6年ぶりに新作『Phoenix』を発表。〈不死鳥〉と銘打ったのは、「灰から蘇るように復活したという意味を込めた」(ヘンリック)という。

 主にアーロンが書いた曲を土台に制作/録音した5曲が本編で、いわく「尺的にはEPとアルバムの中間」。日本盤には、「僕たちらしいサウンドではない、遊び半分の実験的なプロジェクト」(ヘンリック)というYouTubeでの企画〈Song For Lovers〉で披露した4曲のインストが追加収録されている。ブルー・グラス風の“Old Armando Had A Farm”などで意表を突くが、スラップ奏法を交えたヘンリックのベース、パワーとスピードでたたみかけるアーロンのドラムを軸としたテクニカルでキレのある演奏に変わりはない。

 が、本編の“Work Shit Out”と“Next To You”は前作にはなかった8分前後の長尺曲で、「長いソロ・パートを設けたり、アレンジも以前とは違う」とヘンリックは語る。ゴスペル・クワイア風のコーラスを加えた“Next To You”は聖歌隊出身のジョナの発案かと思いきや、「教会で歌っていたのは古い賛美歌で、ゴスペルは大人になってから。クワイアのアイディアはアーロンとヘンリックなんだ。ただ、クワイアは僕ひとりで歌っていて、混乱しないように全部のパートに名前をつけて、性格まで書き出して、同じ声にならないようにした。これはチャレンジだったね」

 ジョナのハイトーン交じりの声とテイク6に通じる精度の高いハーモニーは、R&B風のバラード“Breakdown”でも発揮。また、EDM以降のダンス・ミュージックの感覚と日本のカシオペアやTスクエアにも影響を受けたフュージョン感覚は、「ベースもヴォーカルもホーンも完全にマイケル・ジャクソンだね」(アーロン)という“Rock You”にも表れている。

 現在の彼らは、2016年にドバイで出会ったクインシー・ジョーンズのプロダクションに所属。絶対的な守護神を得たことも再起の後押しとなったようだ。

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