INTERVIEW

植田真梨恵、揺れ動く感情が胸に染みる爽快なポップ・チューン含めた充実の夏シングル“ふれたら消えてしまう”を語る

植田真梨恵、揺れ動く感情が胸に染みる爽快なポップ・チューン含めた充実の夏シングル“ふれたら消えてしまう”を語る

ふれたら消えてしまう――眩しい季節の光景をバックグラウンドに、青春の弾けるフィーリングを注ぎ込んだ充実のサマー・シングル!!

 今年の1月から2月にかけて、ピアニストと二人で回ったツアー〈Lazward Piano〉での植田真梨恵は、本当に素晴らしかった。ピアノと歌、あるいはピアノとアコギと歌。最小限の編成で臨んだライヴには、飾りを剥ぎ取った裸の歌があり、それを目の前のあなたと共有したいのだという、強い意志があった。

 「いまは歌うことがすごく楽しいです。〈Lazward Piano〉ツアーは、あれだけ長く回ったのは初めてだったので、その後ヴォイス・トレーニングを受けたんですよ。おかげで歌いやすくなったし、自分がどんな歌い方をしているのか意識するきっかけにもなったし。なので、歌うことが楽しいんです」。

植田真梨恵 ふれたら消えてしまう GIZA(2016)

 そんな彼女が、もうすぐやってくる夏シーズンに向けて書き下ろした一曲が、ニュー・シングル“ふれたら消えてしまう”。快適なスピードで突っ走るリズム隊、明るいメジャー・コードを掻き鳴らすギター、そしてグルーヴィーなオルガン。これまでも明るくポップな曲はあったが、これは飛び抜けて爽快なポップ・チューンだ。

 「エレキ・ギターを練習している時に、イントロのリフを何気なく弾いていて、メロディーと歌詞が一緒に浮かんできました。野外で歌って気持ちいい曲があるといいなーと思ってたんですけど、そういうものになったと思いますね」。

 とはいえ、ただの爽やかソングに収まらないのが、植田真梨恵が植田真梨恵である理由。歌詞のテーマは、〈感動は、いつか忘れてしまうもの〉ということ。そこにある寂しさと愛しさ、儚さと温かさの繊細なバランス。明るい曲調だからこそ、揺れ動く感情が、聴くほどにじわじわと胸に染みる。

 「身体に稲妻が走るような衝撃や感動も、その時を過ぎるともう戻ってこない。細部は思い出せなくなってしまうものですけど、そういうものこそを曲にしたいなって、すごく思ってるんですよね。音楽には、聴いた時に細部こそ蘇ってくるような力があると思うので。わずか3~4分の音楽でそういうことができるのは素敵だなと思って、私は歌っている気がします」。

 2番の歌詞は特にリアルだ。ヘッドフォンから聴こえてくる、誰かの歌。それはもう、この世にはいない人の歌。なのになぜ、こんなにも生々しく、いまの感情にぴったりと寄り添ってくれるんだろう? そんな体験をしたことのある人は、きっとこの歌にも特別な何かを感じるはずだ。

 「私にとっては、ニルヴァーナhideさん、それからZARD坂井泉水さんとか。歌入れをした日がhideさんと忌野清志郎さんの命日の5月2日だったので、それもすごく印象に残ってます。その人がいなくなってしまうのは寂しいけれど、みんなの心に残る歌をたくさん歌った人は、むしろその姿が消えてしまったことで、本当にみんなの歌になった気がしていて。それはすごくロマンがあって、素敵なことでもあるなと思ったんですよね。もともと私が音楽に対して持っていた夢はそういうことで、私がいなくなったあとも誰かの心に残るいい歌を、1曲でも多く作りたいということだったので。そんなことを考えながら書いた曲なので、私自身、感情が乗っかる部分はすごく多いです」。

 カップリング“ルーキー”は、TV局の依頼で夏の高校野球応援ソングとして書かれた、熱血ロック・チューン。もう1曲“まわりくるもの”は、ふるさとの久留米を思って歌ったという切なく美しいアコースティック・バラードだ。ヴァラエティー豊かな3曲だが、どれも〈心に残るいい曲を〉という意思に貫かれたナンバーばかり。メジャー・デビューから2年、アーティストとしての方向性をしっかりと見つめ直した植田真梨恵の、これは新しい第一歩になる。

 「いまはいっぱい曲が出来てきているので、自分自身も嬉しいですし、まだまだいっぱい歌いたいなと思ってますね。ますますちゃんと音楽家になりたいという気持ちが高まっています」。

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