コラム

ブリンク182がメンバー交代乗り越え完成させた、明るくも胸締め付ける切なさで溢れた新作『California』をクロス・レヴュー

ブリンク182がメンバー交代乗り越え完成させた、明るくも胸締め付ける切なさで溢れた新作『California』をクロス・レヴュー

What's My Age Again?
いろいろあった。寄り道もした。歳も取った。だけど、パンクとカリフォルニアが大好きで、イイ女に目がないのは相変わらず。ブリンク182の名のもとに3人が集えば、鳴らされるのはこんな音。みんなもこれを待っていたんだろ!?

BLINK-182 California BMG Rights/ワーナー(2016)

無性に泣ける!

 素っ裸で街中を駆け回った悪ガキ時代(“What's My Age Again?”のMV)は、ブリンク182の面々が人生の夏を謳歌していた季節と言えようか。あれから17年の時が流れ、その間に活動休止もあり、昨年には主要メンバーのトム・デロング(ギター/ヴォーカル)が脱退してファンを驚かせた。その巨大な穴をアルカライン・トリオマット・スキバが埋めるかたちで、前作『Neighborhoods』より5年ぶりとなるニュー・アルバム『California』が完成。新体制での第1弾作品だけに、心配している人も多いだろう。しかし、今作は人生の夏を経て、徐々に秋を受け入れるかのような、明るくも胸を締め付ける切なさで溢れた素晴らしい一枚だ。マットの加入も影響したか、マーク・ホッパス(ベース/ヴォーカル)を軸とするコーラスワークが絶品。〈一緒に歌ってくれ!〉と聴き手に訴えるシンガロング・パートを強化し、スケール感のある楽曲が揃っている。冒頭と本編ラストで2ビートを入れるあたりにもニヤリとしつつ、“Los Angeles”“San Diego”、そして表題曲とみずからの出自を見つめ直すような地名シリーズのナンバーが無性に泣けて仕方ない。これぞポップ・パンク!と言わんばかりの圧倒的なメロディーの良さに感動を覚える。 *荒金良介

 

昨今のボーイズ・バンド人気も本作の布石だった!?

 リユニオン第1弾にしてインタースコープ契約満了盤となった『Neighborhoods』(2011年)発表からの5年間、出だしこそ精力的にライヴをこなしていたブリンク182ですが、トラヴィス・バーカー(ドラムス)はイェラウルフアッシャー・ロスとのコラボEPを筆頭に多くのラッパーと絡み、トランスプランツも再始動。そうこうしているうちにメンバー脱退のゴタゴタを世間に晒し、グループの行く末を不安視する声も多く上がっていたかもしれません。しかし、次のアルバムをここまで引っ張ったのは結果的に大正解。『Enema Of The State』(99年)のような明快ポップ・パンクを詰めた新作『California』は、マクバステッドファイヴ・セカンズ・オブ・サマーが支持されている時代性にもマッチして、往年のリスナーを満足させる以上に、テン年代の音として鳴り響くことでしょう。力いっぱいのユニゾン・コーラスはもちろん、カントリー味を漂わせた“Home Is Such A Lonely Place”もワン・ダイレクションのように聴こえます(あ、逆か)。とにかく、ここ数年のボーイズ・センセーションすらブリンク復活のお膳立てに思えるほどの快作。本号が出る頃にはグッド・シャーロットの新作が店頭に並び、サム41もスタジオ作業の真っ最中と、何やらビッグ・ウェイヴが起こりそうですが、当然その中心にいるのは……! *山西絵美

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