こちらの記事でも紹介した、埼玉・秩父を拠点とするアート運動〈秩父前衛派〉のギタリスト・笹久保伸さんの今後の展開が大変なことになりそうです。

彼のTwitterによると、建築好きにはメタボリズム運動に関わったグラフィック・デザイナーとして知られ、山下洋輔さんの〈ピアノ炎上〉でも有名な粟津潔さんの作品を、演出家/前衛的美術家/パフォーマーなどさまざまな顔を持つ鬼才・飴屋法水さんと秩父前衛派のコラボで録音したCDがまず7月に到着予定。

この時点で十分スゴいのですが、前述の記事で取り上げた〈秩父の滅びた仕事歌〉を発掘&録音するプロジェクトのCDが8月~9月頃のリリースで準備が進められているようです。

それと並行して、UK在住の現代音楽家・藤倉大さんとのコラボ・アルバムの制作も。現在、期間限定で公開されている音源は、個人的にはこれまでの笹久保さんの作品のイメージを覆す硬質かつモダンなアンビエントエレクトロニカ的なサウンドスケープが広がっていて衝撃を受けたのですが、なんと藤倉さんのTwitterによると、彼とコラボ経験のあるデヴィッド・シルヴィアン(!)が早くも今回の楽曲を賞賛している模様。それくらいのポテンシャルを秘めた作品になるであろうことは、しかしこの音源からも想像できますよね。

さらにさらに、笹久保さんが8ミリ・フィルムで撮影した〈秩父へアンチテーゼの一石を投じる〉という映画および同名の写真集「Adios 秩父」も制作するとのこと。さまざま方法論で貪欲に自らの表現を掘り下げる笹久保さんから目が離せません!

と、ここで終わりではなくて、最後に秩父絡みのビッグ・ボムを。同地の現役タクシー運転手、タクシー・サウダージさんが、なんと久保田麻琴さんのレーベルからデビューすることが決定。タクシー・サウダージさん、60歳でのデビューだそうで、アツい。秩父ボッサとでも呼びたくなる“イパネマの娘”のカヴァー動画は必見です。それにしても……秩父ではいま一体何が起きているんだ!?