メロイック・サインの先にトンボが止まる鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今月はNYの中学生トリオ、アンロッキング・ザ・トゥルースをオシエタル! WWEの入場曲に感化され、メンバーの合同お誕生日会でバンドを結成したのが2007年のこと(当時5歳!)。やがて路上ライヴを行うようになり、2012年、偶然その場を通りかかったスティーヴ・ジョーダン(エリック・クラプトン・バンドのドラマー)の目に留まる。2014年には史上最年少で〈コーチェラ〉出場を果たし、モーターヘッドやガンズ・アンド・ローゼズらの前座に抜擢。そしてアルバム5枚契約+180万ドルという好条件でソニー入り……と、ブレイクへの階段を一気に駆け上がるのだが、正式なデビューを前に契約破棄。快進撃もここまでかと思われた。
UNLOCKING THE TRUTH Chaos Unlocking The Truth/Tunecore/BIG NOTHING(2016)
しかし、無事にファースト・アルバム『Chaos』を届けてくれたのだから頼もしいではないか! プロデュースはメガデスやディスターブド仕事で名高いジョニーK! テクニック重視のオーセンティックなスピード・メタルに、スリップノットのコリィ・テイラーから影響を受けたという激情ヴォーカルを乗せ、アドレナリンは全開だ。何でも、有名になる前はヒップホップ好きの同級生からバカにされていたそうで、その鬱憤を曲に込めているとか。青春だな。そんなこんなで、これを聴いて胸が熱くならない奴は金輪際メタルをカタルべからず!