鋼鉄連載〈OSHIETAL〉の時間だぜ! 今回は筋萎縮性側索硬化症と戦い続けるギタリスト、ジェイソン・ベッカーをオシエタル! 彼がマーティ・フリードマンとのユニット、カコフォニーでデビューしたのは17歳になったばかりの87年。超絶技巧の速弾きはもちろん、クラシック音楽に由来する独自の奏法も称賛され、翌年の初ソロ作『Perpetual Burn』でギター・インストの金字塔を打ち立てることに。そして、90年にスティーヴ・ヴァイの後任としてデヴィッド・リー・ロス・バンドへ加入するも、病を発症。以後、身体の自由を奪われる前に多くの演奏を録音し、作曲活動にも力を注いでいくのだった。
このたび登場した『Triumphant Hearts』は、23年もの歳月をかけて完成させた待望の新作だ。マーティやヴァイに加え、ジョー・サトリアーニ、ポール・ギルバート、リッチー・コッツェンら錚々たるギタリストがジェイソンの代役を務め、男たちの熱い友情に涙を禁じ得ないぜ! なかには若き日の彼のプレイ(未発表テイク!)に、デイヴ・ロス門下生として同じ釜の飯を食べたグレッグ・ビソネットのドラムスが被さるスペシャルなナンバーもあり! 時にシンフォニックな装飾を施しながら、美しい旋律を紡ぐ6弦ギター。年末年始をこの素敵なアルバムと過ごせるなんて、俺は幸せ者だな。人生の素晴らしさを教えてくれるジェイソン・ベッカーを聴かずして、メタルをカタルべからず!