好評連載〈OSHIETAL〉! 今回は2019年の〈マイ・ベスト・アルバム〉をオシエタル! 振り返ってみれば国内外問わずレジェンドたちの作品が素晴らしかった一年ということになるのではないだろうか!? まず、5位は人間椅子『新青年』(meldac)。30周年を迎えて大活躍するなかで登場したアルバムはとにかく痛快! プログレッシヴでドゥーミー、そしてとにかく楽曲がユーモアに富んだ、アニヴァーサリーに相応しい内容だった!

人間椅子 新青年 徳間ジャパン(2019)

 4位はポール・ギルバートの『Behold Electric Guitar』(Music Theories)! かつてジェフ・ベックも実践したロック方面からのジャズ的アプローチを披露し、新境地を開拓! ハモンド・オルガンなどヴィンテージ感の溢れる耳触りも心地良く、そこに超絶テクが披露された新たなるギター・インスト大傑作だ!

PAUL GILBERT Behold Electric Guitar  Music Theories(2019)

 3位はドリーム・シアターの『Distance Over Time』(Inside Out)! プレイボタンを押した瞬間からただならぬ香りが漂い、最後まで興奮冷めやらぬ技の応酬と複雑な構成力には誰もがビビったはずだ!

DREAM THEATER Distance Over Time Inside Out/ソニー(2019)

 2位はスリップノットの5年ぶりのアルバム『We Are Not Your Kind』(Roadrunner)! 過去最高にズバ抜けた楽曲の強烈な音圧と破壊力! 予測不可能な構成に至るまで鼓膜を震わす圧巻作だ!

SLIPKNOT We Are Not Your Kind Roadrunner/ワーナー(2019)

 そして堂々の1位は……難病のALSと戦い、23年もの歳月をかけて完成されたジェイソン・ベッカーの『Triumphant Hearts』(Music Theories)! マーティ・フリードマンやスティーヴ・ヴァイら錚々たる盟友がサポートを務め、若き日の未発表テイクにデイヴ・リー・ロス・バンド時代の同僚であるグレッグ・ビソネットらがリズムを加えた曲や、美しき旋律の紡がれるシンフォニックなナンバーなど、ジェイソンの諦めない姿勢に生きる意味をも教えてくれた超大作だ!

JASON BECKER Triumphant Hearts Music Theories(2019)

 他にもサミー・ヘイガー&ザ・サークル、やはり天才としか言いようがないジンジャーの才能が炸裂した10年ぶりのワイルドハーツ、世界が待ち焦がれたトゥールに至るまで、大物たちの名品が目白押し! 長いキャリアを誇るヴェテランたちのプライドが感じられる一年だった!