寒さ知らずの鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今月はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやオーディオスレイヴの創設メンバーとしてロック・シーンに革命を起こしてきたギタリスト、トム・モレロをオシエタル! トムと言えばチャックDやB・リアルとプロフェッツ・オブ・レイジを本格始動させたことも記憶に新しいが、そんな最中にこのたび意外にも本人名義では初のソロ・アルバム『The Atlas Underground』を投下したのだ!

TOM MORELLO The Atlas Underground Mom+Pop/ソニー(2018)

 過去にはナイトウォッチマンの名でアコギ片手にフォーク寄りの作品を出していたが、今回はレイジ信者もきっと大満足のヘヴィー&ラウドなリフが炸裂。ナイフ・パーティやスティーヴ・アオキとのコラボでは狂騒的な硬質エレクトロをブチかまし、ヴィック・メンサやキラー・マイクらラッパー勢との絡みでは脇目も振らずにラップ・メタル道を猛進(プロフェッツで手応えを感じた?)、さらにゲイリー・クラークJrとは〈EDM通過後のブルース・ハード・ロック〉とでも呼ぶべき新たなスタイルを提示するなど、もうやりたい放題じゃないか! 持ち前のミクスチャー感覚を尖りに尖らせつつ、ワウペダルを駆使したあのギター・サウンドですべて俺色に染め、ファンを置いてけぼりにしない感じがアッパレだよな! スペースの都合で詳細は割愛するが、もちろん政治的なメッセージもキレッキレ。ここへきて何度目かの絶頂期を迎えようとしているトム・モレロを聴かずして、メタルをカタルべからずなのだ!