サイケだけだと思ったら大間違い! UKロック好きを唸らせる、これがへヴンリーの真骨頂!!
ロンドンを拠点とし、四半世紀以上に渡ってUKロック・シーンを盛り上げてきたヘヴンリー。テンプルズのブレイク以降、〈サイケの総本山〉的なイメージばかりが先行している感もあるが、純粋にグッド・メロディーを紡ぎ出すオリジナリティーのあるアーティストならば、音のテイストは問わない……といったスタンスは、実は今も昔も変わらない。
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そんなレーベルの姿勢を反映してか、看板バンドたちによる新作はどれもユニークな出来に。まず、サイケ人気を牽引するブライトン出身のウィッチーズが放った2作目『All Your Happy Life』。メタルを影響源にブラック・サバス顔負けのドゥーミーな音を披露していて、まさかのダーク&ヘヴィーな変身ぶりには腰を抜かした。
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続いて、バット・フォー・ラッシーズとのコラボも記憶に新しいトーイは、デヴィッド・レンチと初めてタッグを組んだ3作目『Clear Shot』でシンセの比重を増やし、クラウトロック的なループと白昼夢のような心地良いハーモニーを同居させることに成功。
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また、リヴァプール発のフートン・テニス・クラブも、ビル・ライダー・ジョーンズ(元コーラル)からエドウィン・コリンズ(元オレンジ・ジュース)にプロデューサーを代えて2作目『Big Box Of Chocolates』を発表したのだが、ここでのノイジーかつ粗削りなギター・サウンドとヨレヨレな歌声は、〈ラーズmeetsペイヴメント〉なんて前評判も頷ける中毒性の高さでクセになりそうだ。
年明けにはいよいよテンプルズが待望の2作目を届けてくれるとか。前号で紹介したパロッツを皮切りに怒濤のリリース攻勢を仕掛けるへヴンリーから、この秋冬は目が離せそうにない。