コラム

英国サイケの申し子、コーラルがブームに決着つけるべく6年ぶりの新アルバム『Distance Inbetween』と共に堂々帰還!

英国サイケの申し子、コーラルがブームに決着つけるべく6年ぶりの新アルバム『Distance Inbetween』と共に堂々帰還!

THE CORAL
充電完了! 英国サイケの申し子がブームに決着をつけるべく、堂々の帰還だ!!

 ハタチそこそこの若者が、60年代スタイルのUKサイケを奏でる――そんな意外性も手伝って、すぐさま幅広い支持を獲得したコーラルは、2002年のアルバム・デビュー以来、全英チャート上位の常連グループとして走り続けてきた。が、きっとプレッシャーも大きかったのだろう。2010年作『Butterfly House』のリリース後に、彼らは活動を休止する。

 もっとも、その間も音楽シーンから離れていたわけではない。中心メンバーのスケリー兄弟は、2013年にスケルトン・キーというレーベルを設立。各々のソロ作に加え、ブロッサムズサンダウナーズを送り出し(特に前者はBBCの〈Sound Of 2016〉に選ばれ、今年ブレイクが確実視されている)、マイペースに音楽探求を続けながら、徐々に創造性を取り戻してきた。もしかすると、脱退したビル・ライダー・ジョーンズの活躍――ドミノからコンスタントに届くソロ・アルバムのほか、アークティック・モンキーズ周辺との絡みやウィッチーズのプロデュース仕事など――も刺激になったのかもしれない。

THE CORAL Distance Inbetween Skeleton Key/Ignition/ソニー(2016)

 そして2016年、ウィッチーズやテンプルズら後輩からのラヴコールも追い風に、コーラルがニュー・アルバム『Distance Inbetween』で完全復活を遂げた。今回は地元リヴァプールのスタジオにて、ほぼ一発録りに近い形で録音。共同プロデューサーにダーリアミスパーズをはじめ、ジェイムズ・スケリー&ジ・インテンダーズ作品も手掛けたリチャード・ターヴェイを迎えている。あえて音に粗さを残しているのは、いま非常に良い状態であるバンドの姿をダイレクトに伝えようとしたためか。全体的にエレクトロニック寄りで、反復するリズムからはクラウトロックの影響も見ることができる。果たして、ロックの歴史を反芻しながら、時流をしっかりと味方につけた傑作がここに完成したのだ。

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