コラム

グラスパー × ザヴィヌルなキューバのアクセル・トスカ・ラウガー、ひらめきに満ちた鍵盤捌き見せる初作で本格デビュー!

アクセル・トスカ・ラウガー『Axel Tosca Laugart』

グラスパー × ザヴィヌルなキューバのアクセル・トスカ・ラウガー、ひらめきに満ちた鍵盤捌き見せる初作で本格デビュー!

キューバップ、いよいよ本格デビュー!

 ドラマーのオラシオ・エルナンデスからだった、その名前を聞かされたのは。二度目のディープ・ルンバの来日の時だったと思う。アイラ・モンピとディープ・ルンバのディーヴァとして喝采を浴びたシオマラ・ロウガートの息子がすげえーキーボーディストなんだと。しかし、どうすごいのかさっぱりわからない。まだYouTube誕生の数年前、CDがなければ存在は霞のようだった時代だ。

 以来検索し続けようやくYouTubeにその姿を確認。最初に見た動画は今は落ちているようだが、ザヴィヌルのようなメロディーラインと今思えばグラスパーのようなハーモニーと何より自由な様子に驚いた。スティーヴ・コールマンのバンドにいたアンディ・ミルンのバンドを思い出させもした。つまり当時のNYスタイルと言えばそういえた音楽だった。その後も今にいたるまでメンバーとして様々なジャンルのバンドに参加し、周囲のミュージシャンをあっと言わせてきたようだが、ソロ・アルバムのリリースについては全く情報はなかったし、彼の(U)nityというバンドの動画はLatin Percusionのサイトに随分上がっているが、結局このバンドによるリリースはなかったようだ。

AXEL TOSCA LAUGART Axel Tosca Laugart AlFi Records(2016)

 そしてようやく突然、今年朗報が届いた。東欧のレーベルからリリースすると教えてくれたのは大西順子の録音に参加するために来日していたベーシスト、ユニオール・テリーからだった。昨年、ドキュメンタリー映画『Cu BOP』ですでにピアニストとしての実力を凄まじい演奏スタイルで披露していたこともあり、実にバッチリなタイミングでのリリースとなった。ジャズならではのひらめきに満ちた演奏スタイルに加え、ハーモニーのセンスが光るオリジナルといったところが彼の味だろう。ジェームス・ジーナス(b)、ジェフ・ティン・ワッツ(ds)のリズムセクションを目玉にNYを中心に活動するラテン・ジャズの中堅が参加した豪華なセッションで構成、母親、シオマラが一曲ゲスト参加している。

関連アーティスト
TOWER DOORS
pagetop