コラム

ボヘミアン・トリオ『Okónkolo』 クラシックとジャズ、ラテン・ミュージックが三位一体となって独自のサウンド呈示した初作

Bohemian Trio @ National Sawdust, Williamsburg NY、(C)Takehiko Tokiwa

クラシック、ジャズ、ワールドミュージックが三位一体となった芳醇なサウンド

 キューバ出身で、ジャズ、ワールド・ミュージックのカテゴリーを軽々と横断する活動で知られるヨスヴァニー・テリー(as,ss,per)が、長年の友人であるキューバ出身のクラッシック・ピアニストのオランド・アロンソ(p)と、新たなユニットの結成を決意したのは2012年のことだった。トラディショナルなジャズや、キューバン・ミュージックの枠組みを超えるために、グループに加わったのは、トリニダード・トバゴ出身のチェリスト、イヴェス・ダハムラジだ。かくしてボヘミアン・トリオが結成された。そしてリリースされたアルバム『Okónkolo』は、クラシックとジャズ、ラテン・ミュージックが三位一体となった独自のサウンドを呈示している。アルバムのエンディングを飾るタイトル曲の意味は、西アフリカのヨルバ族のバタ・ドラムのデュオのであり、リズム・キープとコール&レスポンスによって即興プレイされ人々を高揚させる宗教儀式で演奏され、ブラジルのショーロ、アルゼンチン・タンゴ、キューバのルンバの源流となったスタイルである。テリーは、「最小ユニットのインタープレイこそ、ボヘミアン・トリオの核となっている」と語る。アルバムはテリーが提供した4曲に、ラヴェルの《ピアノ三重奏曲》の第三楽章のボヘミアン・トリオ・ヴァージョンでは、このトリオのリリカルな側面にスポットライトが当たる。またアンドレ・プレヴィンの《インヴィジブル・ドラマー》からのプレリュード No.5はアルフォンソのピアノ・ソロから、ダハムラジのメロディ、テリーのパーカッションが加わり、テリーのオリジナルの《Punto Cubano de Domingo》へと昇華する13分を超える大作である。アルゼンチン出身のペドロ・ジラウド(b)、キューバ出身のマニュエル・ヴァレラ(p)のオリジナル曲もトリオに多様性をもたらした。新たな、チェンバー・ワールド・ ミュージック・ユニットの誕生である。

BOHEMIAN TRIO Okonkolo innova recordings(2017)

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