「もともとBiSが終わる時に書いた詞で、新しいことをゼロから始める時の不安や期待が表れてるんですけど、当時だけの意味合いじゃなく、どんな状況でも自分たちで困難を打破するためのパワーをくれる曲だなって思っています。こうして仲間が増えて歌えるのは心強いです」(カミヤサキ)。
bounce11月号に転載したのは、激動の中でアルバム『Barely Last』を作り上げた4名のインタヴュー。その後、11月のワンマンで7人組に新生したGANG PARADEが、このたび新体制で初のシングル“Plastic 2 Mercy”を完成した。そもそも前身にあたるプラニメのデビュー曲として2014年に発表され、POP時代にも再録されたこの曲は、グループが再起動するたびに新装されてきた爆発的なダンス・チューンだ。
「アンセム的な曲だってのは知ってたんですけど、もう音源でもライヴでもカッコ良く出来上がってたから、3人が入ったらどんな感じになるんだろう……って、この曲に限らずなんですけど、すごいドキドキしてました」(ココ・パーティン・ココ)。
「すごい音痴なんで、自分の声が入っていいのかな?って気持ちはまだありますね。でも、すごく嬉しい」(テラシマユウカ)。
「活動できるのってあたりまえじゃないんやなって痛感した年でしたし……奇跡かなって思いますね」(ユイ・ガ・ドクソン)。
そう話す3名は、一度きりのライヴで散ったBiSの公式ライバル・SiSだった面々。12月初旬には7名で200km駅伝を完走するという企画も敢行したが、その無茶ぶりは7人の結束を促す試みでもあった。
「3人が急に加入したので、お披露目後も申し訳ない気持ちがやっぱりあったんですね。でも、そう思って自分が一歩引いちゃってたのかな?って気付いて」(ドクソン)。
「先輩3人と後輩3人に挟まれて個人的に心細い気持ちが若干あったんですけど、もうなくなりましたね。オーディションを受けた時から〈いつか走るだろう〉と思っていたので、〈本物になれたな〉って(笑)」(キャン・マイカ)。
「サキちゃんと(ヤママチ)ミキとは1年半ずっと一緒にいて、言わなくてもわかる感じになってるんですけど。他の4人とも辛い状況を一緒に過ごしたからこそ、心のどこかにあった距離が縮まったのかな。それに、応援してくれるみんなの大切さを改めて感じることができました」(ユメノユア)。
思いを一つに寒空の下を駆け抜けた7人――そんな光景をイメージさせるのが、シングルのカップリングに収まるピアノ・ロックの“WINTER SONG”。松隈ケンタ曲らしいエモーショナルな疾走感を、仄かな希望で輝かせる歌詞も素晴らしい名曲だ。
「私が主にAメロとBメロの詞を書いてて、サビはゆゆ(テラシマ)の書いたものという感じです。打ち合わせも別にしてないけど、合わさったらマッチしてた」(ココ)。
「喋るのが苦手なぶん、いろいろ思ったことを日記とかに書いてるんですよ。そういうのを作詞に活かしたり、少しずつ普通に出していければなって」(テラシマ)。
「冬っていう季節が嫌いだったんですけど、この曲で好きになりました(笑)。情景が思い浮かぶ感じで」(ヤママチミキ)。
「松隈さんのピアノ曲がめっちゃ好きで、デモの段階でもうヤバイ!って思ってたんですけど、2人の歌詞が合わさることで……2人は全然違う意味で書いたとは思うんですけど、いままでのギャンパレと重なり合う部分が多くて。ギャンパレって冬が長いという印象を持たれている方も多いと思うし(笑)、いまいろいろチャンスをいただけているなかで、ここに〈きっといつか春の兆し 告げよう〉っていうフレーズがあるのは、ホント不思議な感覚だし、嬉しいなって。活動歴はみんなバラバラだけど、気持ちは同じなんだなって思えました」(サキ)。
TV出演やマイカのグラビア展開といった話題が続き、SiSの解散を題材にした映画「WHO KiLLED IDOL? -SiS消滅の詩-」も2月に公開。そんな好況は「グループでも個人でもやれることはまだまだあるし、そういう意味でももっと成長したいです」(ユア)という個々の意欲に繋がっているようだ。
「みんなの才能をドカンと出して、私だったら〈ギャンパレってめっちゃかわいい子いるよね!〉って言われるようになりたい。やっぱりまだサキちゃんの印象が強いので、どんどんみんなで追いついて、グループでもっと上に行きたいです」(マイカ)。
春の兆しも見え隠れしながら暮れていった激動の一年。新年の願いはもちろん……。
「この7人でがんばっていきたい、それに尽きます。1年後もこの7人で〈あ~、今年も1年がんばったね!〉って言えるようにがんばっていきたいです」(ミキ)。
GANG PARADE
カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソンから成るアイドル・グループ。BiS解散後のカミヤがミズタマリと2014年7月にプラニメとして結成、同年9月の“Plastic 2 Mercy”でデビュー。2015年6月よりカミヤにヤママチ、ユメノらを加えた5人組のPOPに改名し、ファースト・アルバム『P.O.P』をリリースする。2016年6月にGANG PARADEに改名。メンバー脱退を経て10月にマイカが加入し、11月にセカンド・アルバム『Barely Last』を発表。同月に開催したワンマンより現在の7人編成に。現体制での初音源となるタワレコ限定シングル“Plastic 2 Mercy”(T-Palette)を12月27日にリリースする。