桜満開の鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今回はついに日本進出したウィズイン・ザ・ルインズ(以下WTR)をオシエタル! バンドが結成された2003年と言えば、同郷マサチューセッツのキルスウィッチ・エンゲイジがメタルコア番長としてブイブイ言わせていた頃だ。もともとはWTRもその影響下にいたが、2枚の自主制作EPを通じてデスコア(言うまでもなくメタルコアとデス・メタルのハイブリッドだな!)へとスタイルを変え、2009年に初作『Creature』を、翌2008年に2作目『Invade』を発表。以降もリリースを重ねていき、このたび3年ぶり5枚目のニュー・アルバム『Halfway Human』を投下したのである。

WITHIN THE RUINS Halfway Human Good Fight/eOne/ビクター(2017)

 コイツらの魅力は何と言ってもデス声一本勝負の男臭さと、8弦ギターの超人的なテク! で、いつになくジェントに寄せた本作では、高速ドラムに煽られながら極限までウワ音を詰め込んでいるじゃないか! そこにブレイク的な感じでレゲエを挿入する遊び心も高ポイント。予期せぬところから〈次期ペリフェリー〉が登場したな! ちなみに、現在のマサチューセッツ・シーンはアカシア・ストレインやイヤーズ・シンス・ザ・ストームら、多くのデスコア野郎が蠢いている状況。その中心にWTRがいることも強調しておこう。そんなわけで、『Halfway Human』を聴かずしてメタルをカタルべからず!