メジャー・デビューから10年経った昨年はスクリレックスとの“Purple Lamborghini”で気を吐いたマイアミの帝王。40代になって最初のアルバムは長らく身を置いたデフ・ジャムからエピックへ移籍しての第1弾でもあるが、そんな節目は関係なさそう。バードマンを口撃した話題曲“Idols Become Rivals”や、トラップ・オリジンの集った“Dead Presidents”“She On My Dick”あたりも最高ながら、いわゆるトレンドよりもリッチ&メロウなソウル嗜好という己の美学を重んじた聴き心地は『Teflon Don』(2010年)を思わせる絶妙なバランスだ。同作以来の参加となるラファエル・サディークが歌った“Apple Of My Eye”を幕開けに、全開の高級車マナーとスロウバック気味のネタ選びで貫禄を見せた久々の大傑作!