ジャスティン・ビーバーとのコラボで人気を広げたR&Bシンガーの4年ぶりとなる新作。コロナ禍にひとり小部屋で作りはじめるも、今回は主にサー・ディランと組み、ディランの叔父ラファエル・サディークも制作した“Do You Like Me?”やマーク・ロンソンが絡んだ“Pain Is Inevitable”に代表されるサイケ・ロック~フォーク風の内省的なスロウを歌っていく。甘美で幻想的なトラックにセンシティヴな歌声が生々しく浮かび上がる独特のムードは不変。同郷のムスタファを迎えて地元への郷愁を滲ませた“Toronto 2014”のほか、サーペントウィズフィートやタイ・ダラー・サインらとの共演曲で溶け合う個性も見事だ。