『ヱヴァンゲリヲン』『シン・ゴジラ』を手がけた、と言わなくてもいまや世界中にその名が浸透した音楽家 鷺巣詩郎。1998年から2011年までの14年間に彼が雑誌『bmr』で連載したコラムをまとめた書籍『執筆録』が刊行。それは彼が書き上げた“執筆”の“記録”であり、仕事の系譜であり、拠点とした土地の推移である。それはつまり、文字どおりこの音楽家の足跡そのものに他ならない。彼が様々な仕事を通して感じた事、学んだ事、想った事が鮮度を保ったまままとめられてる。クロニクルでありながら随想でもあり、しかし教本的でもある。多面的なところが、まさに鷺巣詩郎という人間を表している。