熱帯夜よりも暑苦しい鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今回はNY出身、LA在住のイン・ディス・モーメントをオシエタル! 2005年に結成されたこのメタルコア集団は、緩やかにゴス化を図りながら、〈Ozzfest〉をはじめとした大型フェスへも参戦するなど、順調にキャリアを積んできたわけだが、2013年のアトランティック移籍作『Black Widow』で強い上昇気流に乗った感がある。そんな彼らの勢いは、リリースされたばかりのメジャー第2弾となるニュー・アルバム『Ritual』でも止まることを知らない。
プロデュースは引き続きケヴィン・チャーコ! 近作のインダストリアル志向に加えて初期を思い出させる美メロも確認でき、マリア・ブリンク嬢のエログロなウィスパー・ヴォイスと凶悪極まりないデス声がめまぐるしく交錯しているではないか! ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードを迎えたバーレスク・メタル(!)や、フィル・コリンズ“In The Air Tonight”とレディオヘッド“Creep”の不気味なカヴァーも良いアクセントとなり、バンド史上もっともダークで壮大な音世界を創造! 俺的にはトゥールの大傑作『10,000 Days』に似た匂いを感じるのだが、どうだろう。いったいどこまで化ければ気が済むんだ? そんなわけで、いまが伸び盛りのイン・ディス・モーメントをチェックせずしてメタルをカタルべからず!