『メメント』『ダークナイト』『インターステラー』等、今ハリウッドで最も注目される監督の一人、クリストファー・ノーランの日本初の本格分析本。ノーランというと、フィルム原理主義者であるというような映像的側面で語られやすい作家であるので、本書のようにラカンやヘーゲルといった精神分析学/哲学を援用してノーランにおける“嘘”“虚構”の物語的側面を分析するという点は新鮮。著者によると、『ダークナイト・ライジング』の真の悪役はアルフレッド(バットマンの執事)なのだという! 新作『ダンケルク』の前に是非読んでおきたい一冊だ。