膨大すぎるI-DeAワークスのごく一部をプレイバック!

エンジニアとして腕を磨いた経験も踏まえて作り上げた初作。これに先駆けてアルバム2枚を手掛けていたSEEDAを“Whoa”などで猛プッシュする一方、EL DORADO人脈やその後も密に絡むMSC勢、降神、L-VOKALらの豪華な演者がズラリ。当時はDEV LARGEの“Ultimate Love Song(Letter)”が大きな話題になった。

2003年リリースの『Ill Vibe』に続くSEEDAの3作目は、確信を込めて〈I-DeA presents〉と自身の名も冠するほどの出来映えに。BACHLOGICとプロデュースを分け合う形で引き出した主役のエモーショナルな凄みは翌年からの飛躍に繋がった。

メジャー・リリースとなったセカンド・アルバム。MSCやESSENCIALなど前作以上に参加ラッパーの色が絞られる一方、JAMOSA & JAY'EDやBOO & TARO SOULなど歌モノが増えたのも特徴か。とはいえシンプルで劇的な意匠はSCARSの面々と相性が良く、クルーでの“T.O.P”は同年に出る『THE ALBUM』の前哨戦にもなった。

何度も抜擢していたBESが率いるトリオの初作。I-DeAが緊迫感に満ちたトラックを提供した“評決のとき”は作中を不穏にシメる人気曲だ。BESとはソロ作『REBUILD』(2008年)以降からエンジニアとしてより深く関わっていくことに。

以降もたびたび絡み、新作中でも“花籠”に招いているNORIKIYOとの縁はここから。I-DeAはスキットも含めて3曲を担当し、なかでも“2 FACE”はソウルフルなネタ使いの導入部も効いた、メロディアスでブルージーな逸曲に仕上がっている。

『GREEN』同様にBACHLOGICとプロデュースを分け合った傑作。I-DeAの手による7曲はブルージーな温かみを備えたものが多い。ひときわ晴れやかな“空”で歌っているLUNAとは、同じ年に名曲“I have a dream”を送り出してもいる。

翌年の『獄窓』以降も関わっていくことになる鬼の出世作で、ここではマドンナを下敷きにしたクラシック“小名浜”をI-DeAがプロデュース。独特の語り口が漂泊するような物悲しいループに結び付き、ある種の文学性すら醸し出した名曲だ。

メンバーが揃わない状況下で制作されたクルーとしてのセカンド・アルバムで、I-DeAは“Lookin' back”などの5曲をプロデュース。とりわけ話題となった劇的なピアノ・ナンバー“さらけだす”も彼の仕事だ。なお、この後にはI-DeAみずからSCARSに加入するも、現在は脱退している。

『Sweet Hell』では“Ma $hit”に登場するSCARS構成員のひとり。この初ソロ作はI-DeAがエグゼクティヴ・プロデューサーを務め、軽やかな“タマには”から感動的な“終わりなき道”まで、後ろ暗さに終始しない充実作に仕立てている。