即興(Lib)と自由(Liberty)を軸(Stem)にする、という造語を冠した東京のジャズ・クァルテットによる初作。ポスト・ロック的な構築美を持つタイトル・トラックで始まり、アトモスフェリックな音像の“Winter Morning”で周りの景色を美しく霞ませ、スタンダード“Night Logic”で疾走し、そしてその曲が本作の共同プロデュースを務めたmabanuaによってスモーキーなビート・ミュージックへ様変わりし、アルバムは終幕する。確かな演奏スキルもさることながら、さまざまな音楽要素を孕んだ内容は、昨今のインディー/アーバン・シーンを通過したジャズという印象。エリマージやクリス・バワーズら〈グラスパー以降〉な海外の次世代と並列で聴きたい、新たな潮流を担う一枚だ。