2012年の前作『El Camino』が大ヒットし、グラミーでも3部門を受賞。ダン・オーバックとパトリック・カーニー、それぞれが多くのプロデュース仕事をこなすなど、ブラック・キーズは名実共にUSを代表するロック・アクトとなった。そんな状況下でリリースされたこのニュー・アルバムは、もはや第3のメンバーと言って差し支えないデンジャー・マウスとの共同プロデュース。ノンサッチ移籍後の彼らは、ルーツであるガレージ/ブルースの感覚と緻密なポップネスのバランスが絶妙なのだけれど、それはもちろんここでも発揮されている。先行カット“Fever”が象徴するように、ラジオ・フレンドリーなメロディーを備えつつ、危険鼠カラー濃厚な独特の憂いを持った出来映えだ。圧巻の横綱相撲!