東京の某クラブ・イヴェントでヘッドライナーが全員東京外在住だったりすることが増え、そんなときになんだか関西の雰囲気ってあるよなあと思ったりします。やはり土地が人間に与える影響は少なからずあると思い、それは関西のある時期のアーティストの皆さんにはさらに顕著な気がしています。自分が音楽を聴きはじめたタイミングに聴いていた関西の先輩方の諸作品を、現在もタワーで入手できるものからご紹介。

 

羅針盤 せいか A.K.A./ワーナー/Pヴァイン(1998)

山本精一氏率いるバンド、羅針盤の2枚目。いまはSHM-CDになってリイシューも出ています。大学生のときに先輩から教わって山本精一氏の音楽はとても好きなのですが、こちらのアルバムは最近購入。もともとワーナーからのリリースだったことなどにもびっくりしつつ聴いたのですが、めちゃくちゃ何度も聴ける名盤です。現在に至るまで関西シーンに影響を与え続けているこの独特の叙情性、知らない方はぜひどうぞ。

 

RATN J disques corde(2005)

そんな低温だけど暖かい雰囲気から連想するのがこちらの一枚。一種の虚無に満ちた世界観は似ている部分があるかもしれません。てか〈tower.jp〉でまだカートに入れられるの衝撃。すぐ買いましょう。普段はガッチガチにエディットされたトグルスイッチのようなビートが魅力のRIOW ARAIさん(そっちの音源もだいたいヤバイです)がツジコノリコさんと組むとこうなるのかという驚きと、そもそも楽曲の完成度の異様な高さに震えます。なんだかこの2名は東京・パリといった感じですが、なぜか関西の電子音楽シーンとの近似を勝手に感じます。

 

group_inou foods & system kitchen GAL(2015)

恐らくそれはARAIさんが関西の電子音楽レーベルSPOTLIGHTからのリリース歴とかもあるからなんですが、そんなSPOTLIGHT主宰=MATSU&TAKE氏の仕事を楽しめるのがgroup_inouの過去作。自分の影響の根底にあるのは2006~07年のEPをまとめた当作収録のリミックスなど。シンプルなオケにヴォイス・エディットが冴え渡る手法はイルリメさんの作品でも味わえました。当時もめちゃ好きでしたがいま聴いても全然いいですね。

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。m-flo、藤井隆、平井堅、堀込泰行、NGT48らの楽曲を手掛けるほか、TVドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」の主題歌となった“ふめつのこころ”も好評リリース中! また、モーツァルト役で参加している『クラシカロイド MUSIK Collection Vol. 5』(ムービック)に続くシリーズ最新作〈Vol.6〉も4月11日に登場する予定です。この後も話題が控えているようなので、〈tofubeats.persona.co/〉にて最新情報をチェックしておきましょう!