ギタリスト大柴拓の新しいプロジェクト。この号が出る頃にはツアーも済ませ一息ついているだろう。ベース・レスのカルテット編成。サックスとバンドネオンの対位的な動きをギター、ピアノが包む、なかなか他では聴くことができない味わいのアンサンブルだ。メンバーに北村聡(bandoneon)、鈴木広志(sax)、伊藤志宏(p)と名手が名を連ねる。比較しても解りづらいかもしれないが、ギタリスト鬼怒無月のサルガヴォ(こちらはb、accordion、vn)と対照的な音楽性だ。ディノ・サルーシのフォルクローレに根ざしたセンチメントとも異なる下町の叙情に彩られたエキゾ、なのか。
大柴拓カルテット 『flowing out』 下町の叙情に彩られたエキゾ、なのか
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