問題児カニエ・ウェストの仕掛けた話題の連続リリースが続々とフィジカルで登場!
情緒不安定気味な言動で世間を騒がせたカニエ・ウェストが唐突に仕掛けて話題を呼んだ、ティヤナ・テイラーの『K.T.S.E.』に至るまでの5作連続リリース。そのうち3作品が少し遅れてCDでも登場することとなった。まずはG.O.O.D.ミュージックの社長も務めるプッシャTの待望の新作『Daytona』で、これは以前より噂されていた『King Push』から改題されたもの。ビーフが再燃したドレイクのゴーストライター疑惑などを綴ったディス曲“Infrared”がリリース前から大きな話題となったが、そこでも顕著なようにシンプルなループを基調とするビートで主役のラップ力を全面に出した楽曲が並び、改めてプッシャのラッパーとしての魅力を再認識できるはずだ。
そんなプッシャとドレイクの舌戦が混沌とするなか届いた第2弾リリースが、カニエ自身の2年強ぶりとなる新作『ye』。本人の発言が炎上したことから内容も急遽修正され、より生々しいカニエの現在の心情が綴られている内容なのだろう。鬱々としたムードの冒頭からその情緒がまだ安定しない様子も窺えるが、タイ・ダラー・サインやキッド・カディらも交えながら後半に向けてエモーショナルで壮大なスケールへと展開していき、パーティネクストドアらが参加した“Ghost Town”で盛り上がりは頂点を迎える。
そして、そのカディとカニエのジョイント作『Kids See Ghosts』を挿み、第4弾として到着したのはまさかのナズの新作『Nasir』。カニエとナズという組み合わせに興奮を禁じ得ないファンも多いだろうが、“Hate Me Now”を思わせるパフ・ダディ参加の“Not For Radio”、スリック・リックをサンプルした“Cops Shot The Kid”とインパクト大な楽曲が冒頭から並び、“everything”にはカニエも客演と、両雄の相容れなそうなカラーが程良くブレンドされている。