注目の新世代ラッパー/シンガーのharuru犬love dog天使がファースト・アルバム『lost lost dust dream』を11月7日(水)にリリースする。

術ノ穴の名物コンピレーション『HELLO!!!vol.10』への参加曲“hollow”、自主制作盤として発表し即完売したファーストEP『Garbage Move Around My Head』(いずれも2017年)が話題を呼んだharuru犬love dog天使。SEEDAが監修する人気YouTubeチャンネル〈ニートtokyo〉に出演したことで、一気に注目を集めることとなった。

〈ニートtokyo〉でのharuru犬love dog天使のインタヴュー映像
 

男性が圧倒的多数を占めるシーンのなかで、haruru犬love dog天使のユニークなキャラクターとそのたたずまいは鮮烈な印象を残す。その証拠に、〈ニートtokyo〉のインタヴュー動画の再生回数は46,000回を記録(9月26日現在)。これはBESNIPPSJin DoggFebbといった猛者たちの動画と並ぶほどのものであり、注目度の高さがうかがえるだろう。

そのような状況のなかでリリースされる待望のデビュー・アルバム『lost lost dust dream』は、1年間集中して制作されたという。客演にはpinokoや野崎りこん、YUNGYU、さらにはNERO IMAIといった気鋭のMCたちが参加。プロデューサーには国内外で活躍する食品まつり a.k.a foodmanのほか、RhymeTube、異色の元ホスト・ラッパー/プロデューサーの釈迦坊主(Shaka Bose)、韓国・釜山在住のLaptopboyboyらが名を連ねる。マスタリングはtofubeatsやcero、仙人掌らとの仕事でも知られる名匠、得能直也が担当。トラックリストとパーソネルを眺めるだけでも作品への期待が高まるはずだ。

また、アルバム・リリースの報とともに、収録曲“梁州105-b feat. 野崎りこん”のミュージック・ビデオも公開された。

『lost lost dust dream』収録曲“梁州105-b feat. 野崎りこん”
 

筆者は一足先に本作を聴かせてもらったが、前作からの確実な進化と飛躍を感じさせる素晴らしいアルバムだった。パワフルなラップから気怠げなつぶやきまで、楽曲のテーマごとに変化する声色と確かなスキル。ソウルフルで伸びやかな歌声。せわしないタイムラインや都市の喧騒を一歩引いたところから見つめつつ、それによって浮き彫りになる自身の内面を緻密に描写するリリック。トラップからクラウド・ラップ、エクスペリメンタルまで横断する多様なサウンド。ラップ・ミュージックというジャンルにとらわれず、一足飛びにJ-Popの中心地に打って出られるポテンシャルを持った、理想的かつ完璧なデビュー作と断言できる。

ラッパー/シンガーとしての音楽活動のみならず、「クイック・ジャパン」への寄稿などで活躍の場を広げつつあるharuru犬love dog天使。これから大きな飛躍を見せてくれるであろう新星に、ぜひ注目してほしい。