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colormal、電音部(港白金女学院)、NENE、CHAI……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

【Mikikiの歌謡日!】第81回

colormal、電音部(港白金女学院)、NENE、CHAI……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今回は第81回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト

 


【酒井優考】

colormal “優しい幽霊”

あの頃思い描いていた夢も叶わなかったし、あの頃つるんでいた友達とも疎遠になってしまったし、そもそもそんなこと自体忘れていたけど、ふと金木犀の香りでそういうシーンを思い出す……。そういう経験がない人なんていないんじゃないですかね。何が言いたいかというと、つまりcolormalの曲は万人に響くということです。

 

村里杏 “Girls Fighter”

以前も紹介した福岡のSSWの新曲。〈かつてのテクノ〉みたいなシンセ音からダークなメロ、そしてアガるサビに合わせて失恋から立ち上がる女性を描く。カッコいい~!

 

kiss the gambler “サマーサンライズ”

kiss the gambler。〈幼い日々の淡い記憶とセンシティヴな世界観を胸裏に秘めつつ、今の日本をしたたかに生きるオルタナフォーク系シンガーソングライター〉、とある。確かに若きを思い起こす普遍性のある(それでいてクセもある)歌声とメロディ。言わば童謡とか唱歌にも通ずるような。気になる存在です。

 

Bagus! “Night Out”

いまイチオシのラヴァーズ・ロック・バンドの新曲は、これまで重きを置いてきた甘さや切なさより、白川さん(かな?)のラップで夜のアダルトさを出してきました。こんな曲が似合う大人になりたいやね。

 

millennium parade “Philip”

この曲もヤバイ(MVもヤバイ)んだけど、リメイク元と言われてるSrv.Vinci“Stem”も改めて聴いてみたら相当にヤバイ。語彙力喪失。

 

【天野龍太郎】

電音部(港白金女学院)“Haiiro no kokoro(Prod. パソコン音楽クラブ)”

バンダイナムコエンターテインメントによるダンス・ミュージック・プロジェクト〈電音部〉(オフィシャルサイトが超かっこいい!)。バーチャルYouTuberの参加など、新時代の未来的なエンターテインメントとして、とても興味深いです。もちろん、その中心である音楽も見逃せません。今回配信された“Haiiro no kokoro”はパソコン音楽クラブによる洗練されたエレクトロ・ポップ。灰島銀華(CV:澁谷梓希)のディープで艶めかしい歌いっぷりも素晴らしい。今後、〈BanaDIVE AX〉を活用したパフォーマンスが本格的に披露されていくであろうことを考えると、目が離せないプロジェクトだなと感じます。配信リンクはこちら

 

希帆 feat. 友達(重盛さと美)“uchiseiuchi”

最近、ラッパーとしてとにかく気になる重盛さと美さん。ヴァイラル・ヒットした“TOKYO DRIFT FREESTYLE”に〈友達〉としてフィーチャーされていた希帆さんが、なんとその重盛さんのプロデュースでデビュー(今回は重盛さんが〈友達〉として参加)。ちょっとレゲトンっぽい軽快なダンス・ポップなのですが、そんな曲調とは対照的に〈まぢでHIPHOP生まれstreet育ち〉とハードな貧乏ライフをラップ。ぐっときました。配信リンクはこちら

 

haruru犬love dog天使 “Lingering”

Kotetsu Shoichioのビートによるharuru犬love dog天使の新曲。このチルでメランコリックなラップと歌こそ、はるるの真骨頂というか。配信リンクはこちら

 

The World Will Tear Us Apart “September Song (automatic sessions)”

昨年、活動10年目にしてついにファースト・アルバム『Let’s Get Lost』をリリースしたThe World Will Tear Us Apart。彼らが、アルバム収録曲“September Song”のオルタナティヴ・ヴァージョンを発表しました。アメリカーナ風のアコースティックなバンド・サウンドに生まれ変わっていて、Labit roomのミチルさんによるヴォーカルとトランペットがとてもいい……。泣けます。TOWER DOORSによる〈6つの質問〉も、この機会にぜひチェックを。“September Song (automatic sessions)”はBandcampで販売中

 

plantar feat. Maika Loubté “Moon Flower”

佐藤望くんのニュー・プロジェクト〈plantar〉がスタート。その最初の一歩“Moon Flower”は、素朴なピアノの演奏とMaika Loubtéさんの歌だけ、というシンプルきわまりない曲。けれども、この削ぎ落されたミニマルさはいま、ものすごく刺さります。配信リンクはこちら

 

Kei Matsumaru “interlude | kʲi̥ɕikã̠ɴ”

最近いろいろな場所でその名前を耳にする注目のサクソフォニスト、松丸契さん。11月25日(水)にリリースされる彼の新作『Nothing Unspoken Under the Sun』から、フォトグラファーのKana Tarumi(垂水佳菜)が監督したミュージック・ビデオが到着。〈interlude〉とあるようにとても短い即興演奏ですが、石若駿くんによるドラム/パーカッションも含めて、ただならない空気が収められています。アルバムへの期待がめちゃくちゃ高まりました。

 

【鈴木英之介】

NENE “地獄絵図 feat. NIPPS”

一聴して、とんでもないドープさに度肝を抜かれた。ゆるふわギャングのNENEが日本語ラップ界のレジェンド・NIPPSをフィーチャーした一曲。NENEによるがなり立てるようなラップと、NIPPSによるダウナーな鼻声ラップの対比が鮮やか。そして何と言っても、全体を包む録音のローファイさが生々しく、最高だ。

 

大橋トリオ “Favorite Rendezvous”

バーでかかっていたらお酒が進んでしまいそうな、ジャズ・バラードを基調とした一曲。各楽器の音色の粒立ちを捉えた録音が素晴らしく、思わずため息が出てしまう。メロウで洒脱、そして軽快なこの曲の雰囲気には、なんとなくドナルド・フェイゲンの名盤『The Nightfly』のラストに収録された“Walk Between Raindrops”を彷彿させるものがあるような……。

 

突然少年 “アンラッキーヤングメン”

正直なところ、彼らの活動を特に熱心にフォローしていたわけではないのだが、この曲名を見て思わず意識を吸い寄せられてしまった。というのも、私が敬愛する作家・大江健三郎の「われらの時代」に登場する、若者たちによるジャズ・トリオの名が、ほかならぬ〈アンラッキーヤングメン〉だからだ。そんなまったくの偶然から出会った彼らの音楽はエネルギッシュで疾走感に満ちており、まさに若者ならではの魅力で溢れていた。こういう出会いの形も、いいものですね。

 

【小峯崇嗣】

Haras “Calypso Twins”

南大阪出身のベッドルーム・アーティスト、Harasのファースト・アルバム『68』から。ローファイなヴォーカル・エフェクトをかけ、ポスト・パンク・サウンドとエレクトロを織り交ぜたファンタジックでダークな世界観。その独創的なサウンドに惹かれる楽曲です。バンド・サウンドとエレクトロを融合させる試みはまさに〈ムラ・マサ(Mura Masa)以降〉といえるようなサウンドで、Lil Soft Tennisが好きなリスナーにもおすすめです。

彼にはメール・インタビュー〈6つの質問〉を行ってますので、深堀りしたい方はぜひ併せて読んでみてください。

 

Koko Vienne & Juicy Hip Apartment “Energy”

関西を拠点にしているシンガー・ソングライターのKoko Vienneと、ビートメイク・ユニットのJuicy Hip Apartmentによる共同プロジェクトの最新楽曲から。幻想的でとろけるようなビター・スウィートなジャジー・サウンドに、昇天してしまいそうなほど流麗で澄み切った美声に陶酔する一曲。演奏技術と楽曲の完成度の高さには息をのむほどです。

 

1e1 “暈”

東京、ロンドン、NYを拠点に活動するコレクティヴ、Laastcに所属するDan Kuboによるソロ・プロジェクトの1e1。Laastcがリリースしたコンピレーション・アルバム『In My Room』から、彼の楽曲のご紹介。荘厳で陰りを見せるピアノの旋律が鳴り響き、その先の仄かな輝きを掴み取るようなアブストラクトなサウンド。後半からの叙情的でポップな展開に、驚異的なソングライティングのセンスを感じる一曲です。

Laastcの特集記事もぜひ併せて読んでみてください。

 

MÖSHI “You’ll Never Catch Me”

同じくLaastc所属のミュージシャン/ファッション・デザイナーであるMÖSHIの新曲が先週リリースされました。ダークに鳴り響くSci-fi的なサウンドとリズミカルなビートが鳴り響き、彼の滑らかでクールなフロウに圧倒される一曲です。

 

Lil Soft Tennis “Pop Out!!”

大坂を拠点に活動するKazuki Sasakuraのソロ・プロジェクト、Lil Soft Tennisが以前SoundCloudにアップしていた”Pop Out!”をストリーミング・サーヴィスで配信開始しました。ゆるいローファイな曲調にR&Bテイストを加え、ファルセット・ヴォイスで歌ったベッドルーム・ポップ・ソング。

 

【田中亮太】

CHAI “Donuts Mind If I Do”

CHAIがUSインディーの名門、サブ・ポップ(Sub Pop)と契約! そんなアガるニュースとともに同レーベルからの第一弾ソングとして届けてくれたのがこの曲。けだるいメロウネス漂うバンド・サウンドとブルーアイド・ソウル調のホーン・アレンジが堪りません。録音も演奏もホントにウェルメイド。いつだって、〈好きなものは好き〉マインドで、無責任に呑気にドーナツ食べてたいな~、ホーマー・シンプソンみたいに!

 

ELEKIBASS “TIGER”

海外のリスナーを魅了した日本産ポップス、という点でCHAIの先輩にあたるとも言えるELEKIBASS。彼らが10月24日(土)に、配信および〈RECORD STORE DAY 2020〉限定でリリースする新作EP『Tiger on the freeway』よりリード・ソングを公開しました。盟友アップルズ・イン・ステレオ(Apples In Stereo)のロバート・シュナイダーによる提供曲で、〈パラッパ〉コーラスが耳に残るゴキゲンなポップ・ナンバー! 加えてこの曲、ライターの松永良平さんが書いた推薦コメントを大橋裕之さんが1ページの漫画にした画像も公開されていて、それがまた最高なんです。パラッパ、パラッパ。

 

KONCOS、ONJUICY “AWESOME BOY FREESTYLE vol.4”

CLARKSの渋谷ショップを原宿の古着屋〈Awesome Boy Vintage〉がジャック。ミクスチャーな音楽性を探求し続けるKONCOSと、グライムを軸にジャンルを横断していくラッパーのONJUICYによるコラボ・パフォーマンス映像が公開されました。ドラムパッドを使い、いつになく今様のヒップホップ的な音作りをしているKONCOSが新鮮。ちょっとだけ意外にも(佐藤)寛くんのサイケなギター・サウンドが、トラップ・ビートにめちゃくちゃハマっていて〈KONCOS、この路線でもっとやってもいいじゃーん〉と親指立ちました。

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