ホセ・ジェイムズとアンソニー・デヴィッド、それぞれがビル・ウィザーズに捧げた愛の形
なぜ?と思ったら今年で生誕80年! 85年に引退した伝説のソウル・アーティスト、ビル・ウィザーズのトリビュート盤が相次いで登場だ。まず、ドン・ウォズが手掛けたホセ・ジェイムズの『Lean On Me』は、ブルージーな“Ain't No Sunshine”や友愛を歌った当時の全米No.1ヒット“Lean On Me”を筆頭に、“Grandma's Hands”“Use Me”などの70年代ソウルを代表する宝石がホセのスモーキー・ヴォイスで披露され、“Just The Two Of Us”やレイラ・ハサウェイを迎えて送る“Lovely Day”なども押さえたベスト盤的な選曲になっている。演奏はネイト・スミス、ピノ・パラディーノ、クリス・バワーズ、ブラッド・アレン・ウィリアムスで、ホーン隊には黒田卓也とコーリー・キングも参加。
ANTHONY DAVID 『Hello Like Before: The Songs Of Bill Withers』 Shanachie(2018)
もう一枚はアンソニー・デヴィッドの『Hello Like Before: The Songs Of Bill Withers』で、アコギを抱えてのデビュー時からビルの名が引き合いに出されていた人だけにマッチングは言わずもがな。表題曲など7曲はホセ盤とも重なるが、ボッサの“I Want To Spend The Night”や後期の“You Just Can't Smile It Away”を取り上げているのも興味深い。どちらも一聴の価値あり!