クリスマス盤に続く約1年ぶりの新作はエリカ・バドゥへのトリビュート盤。やや唐突にも思われそうな試みながら、かつての『Yesterday I Had The Blues: The Music Of Billie Holiday』(2015年)を思い出せば、彼とビリー・ホリデイを繋ぐ線上にエリカの存在を見ることは容易だろう。長尺の“Green Eyes”もそのまま聴かせるなど、基本的に原曲の雰囲気を踏まえたアレンジに大きな飛躍はないものの、単純に男女の声質の違いが曲の印象を一変させていて、“Didn’t Cha Know”がどこかオマーのように聴こえてきたりするのもおもしろい。BIGYUKIの鍵盤が全体の格調を優美に印象づけるなか、ジャケに名前のある2名のサックス奏者、ダイアナ・ジャッバールとエバン・ドーシーのパフォーマンスにも注目。

 


ホセ・ジェイムズがネオ・ソウルのカリスマ、エリカ・バドゥをカヴァー。これは駄作になるわけがない! BIGYUKI、ベン・ウィリアムスといった現代ジャズ屈指の実力派プレイヤーで脇を固めつつ、新進気鋭の女性サックス奏者2名をフィーチャー。びっくりするような選曲はなく、代表曲をしっかりと選びましたと言う感じだが、内容の素晴らしさは文句なし! ホセのディープな美声は言うまでもなく、鉄壁のリズム・セクションによる緩急自在のグルーヴ、そして様々な音色を使いこなすBIGYUKIのプレイが素晴らしい。M1のホセの歌唱、ハマり過ぎです。