プエルトリコ出身のアルト・サックス奏者ミゲル・ゼノンと、キューバ出身のドラマー、ダフニス・プリエト。現代ジャズ界のトップ・ミュージシャンとして活躍する2人それぞれのバンドによるライヴ音源が、USのラジオ・ネットワークであるNPRのサイトで公開中だ。
ミゲル・ゼノン・クァルテットのメンバーは、ローラン・コック(ピアノ)、ダナ・レオン(チェロ/トロンボーン)、ダン・ウェイス(パーカッション/タブラ)。肩の力が抜けた軽やかな音色で、緩急自在のプレイで魅せるゼノンのサックスの技巧はやはり驚異的だ。
また、同音源の32分過ぎから登場するダフニス・プリエト・セクステットは、ラルフ・アレッシ(トランペット)、フェリペ・ラモグリア(アルト・サックス)、ピーター・アプフェルバウム(テナー・サックス)、マニュエル・ヴァレラ(ピアノ)、ユニオール・テリー(ベース)というこちらも強力メンバー。ややダークかつ緊張感のあるサウンドで、各プレイヤーの個性的な演奏とプリエトのアレンジによる玄妙なアンサンブルが楽しめる。
プレイや楽曲構造におけるリズム・アプローチのおもしろさに共通点が見い出せる、中米出身の両者。現代のジャズを独自のサウンドで拡張する2つのバンドを続けて聴くことで、新たな発見があるかも?