グラミーの最優秀新人賞にノミネートされ、勢いづくイタリアの4人組は、3作目だからと変に小難しいことに挑戦しなかったところがいい。バラードも含め、コードを鳴らすギター・リフで聴かせるグラマラスなロックにR&Bやファンクの要素を落とし込んでいるが、単にシンプル・イズ・ベストと考えているわけではなく、耳に残るキャッチーな魅力をとことん追求した結果なのだろう。なかでも脱力したコーラスがTikTokで流行りそうな“Bla Bla Bla”、トム・モレロ参加の“Gossip”、早口で歌うイタリア語の響きがクセになる“La Fine”のインパクトがずば抜けているが、有名リフのオマージュにも聴こえる“Feel”“Supermodel”は何だか確信犯っぽい。そんな遊び心を楽しませるところも心憎い。