この2年ぶりのアルバムにおけるバーブラの表情はいつもと違う。エモーショナルなバラード“Don't Lie To Me”やジョン・レノンのカヴァーなどに見え隠れするのは、社会情勢への不安や現状に対する怒りだったりする。そんな具合に、本作は全編において彼女のコンシャスな意識が強く働いた硬派なポップス・アルバムだ。まっすぐ人生を生き抜こうとする信念が滲んだヴォーカルには、誰もが胸を打たれるはず。