TONY BENNETT & LADY GAGA Cheek To Cheek Streamline/Interscope/Columbia/ユニバーサル(2014)

 『Partners』のヒントになったのはトニー・ベネットが幅広い面々との絡みで存在感を更新した〈Duets〉シリーズだと思うが、その第1弾にはバーブラも招かれて“Smile”を優雅に重唱していた。そんなトニーが今回ガッシリ掌を握るガガは、ビヨンセアッシャーらと並んで『Partners』参加の噂があった一人でもある。『Partners 2』が出たらたぶん名を連ねてると思います! *出嶌

 

 

DUCK SAUCE Quack Fool's Gold(2014)

A・トラック&アーマンド・ヴァン・ヘルデンが2010年に生んだ痛快なディスコ・ハウス“Barbra Streisand”(ジャケは『Guilty』のパロディーでした)。PVにそっくりさんまで引っ張り出す悪ノリも、どれだけイジっても問題ないアイコンぶりを却って証明することに。なお、同曲のサンプリング元となったボニーMも“Barbra Streisand(The Most Wanted Woman)”を便乗リリースしています。 *出嶌

 

 

FRANK SINATRA Duets Capitol(1993)

バーブラを小娘扱いできたのは、この芸能界の大ボスぐらい? 『Partners』に収録されているデュエット“I've Got A Crush On You”はシナトラの本企画盤が初出となります。余裕の微笑みを交わしながら若々しく掛け合う両者が麗しいです。ちなみに本作のプロデュースを手掛けたフィル・ラモーンは、「スター誕生」などのサントラ群から『Till I Loved You』(88年)に至るまでバーブラの作品でもお馴染みの名匠でした。 *轟

 

 

JAPAN Adolescent Sex Ariola(1978)

デヴィッド・シルヴィアンらを擁して日本で人気だったニューウェイヴ期のバンド。この初作で〈パレードに雨を降らせないで〉をチープにカヴァーしたのは、シド・ヴィシャスが“My Way”を歌ったのと同じく既存価値の破壊が目的だったのか、それとも単に好きだったのか、果てしなき謎です。  *轟

 

 

VARIOUS ARTISTS Waiting To Exhale Arista(1995)

ベイビーフェイスが全曲を手掛けたこのサントラを聴いてから、バーブラはずっと童顔と仕事したいと思っていたそう。ここでの主役ホイットニーがバーブラの影響下にあったのは認められる通りで、歴史が違えば共演もありえたかも……。なお、アレサ・フランクリンの新作にはバーブラとホイットニーの曲が揃って取り上げられています! *轟

 

 

MARY J. BLIGE A Mary Christmas Matriarch/Verve(2013)

女帝を動かすのは容易じゃないのか、馴染みの相手以外に客演することはほぼないバーブラですが、総監督を務めたデヴィッド・フォスターのパワーも作用して(?)、本作では“When You Wish Upon A Star”にてクイーン共演が実現しています。その他のスタンダードも定評のあるバーブラのクリスマス・アルバムと聴き比べてみましょう。 *轟

 

 

ELVIS PRESLEY That's The Way It Is RCA(1970)

ラスヴェガスにショウを観に来たことをきっかけにバーブラと出会ったキング。彼女が製作総指揮を務めた映画「スター誕生」(76年)に出演をオファーした際はエルヴィス側のマネージャーが反対したために共演は叶わなかったそう。それから40年……『Partners』では慈しむような歌声と共に、念願のコラボレーションが実現しています。 *轟

 

 

LEA MICHELE Louder Columbia(2014)

たびたびバーブラの曲や“Barbra Streisand”が使われたりする「glee/グリー」。彼女の演じたレイチェルはバーブラに憧れている設定でしたが、実際にリア本人もバーブラの大ファンというのは有名。鼻の大きさに悩んでいたのも役柄と同様で、母親に〈バーブラも整形してないから、アンタもしなくていい!〉と言われて思い止まったそう。 *轟

 

 

DIANA KRALL Quiet Nights Verve(2009)

『The Way We Were』で組んだトミー・リピューマをはじめ、ジョニー・マンデルクラウス・オガーマンなど往年の仕事仲間が多く関わっていたことからダイアナには注目していたというバーブラ。自身のクァルテットと共に『Love Is The Answer』を丸ごと支えたダイアナは、“Make Someone Happy”など女王に新たなレパートリーを提案してもいる。 *轟

 

 

STEVIE WONDER Innervisions Motown(1973)

本作収録の“All In Love Is Fair”を翌年にすぐさま取り上げ、感情を入れ込んだ歌唱でものにしたバーバラ。女王への返礼は『The Broadway Album』でのハーモニカ参加だけでは終わらず、『Partners』にてやっとデュエットが実現。美女を判別するという噂のスティーヴィーだが、誰が実力者かもよく見えてそう。 *出嶌

 

 

中島みゆき 麦の唄 YAMAHA(2014)

独特の作法で歌を演じる存在として、日本で思い当たるのは彼女……とはやや強引。ただ、バーブラの6ディケイド全米No.1に比肩する、70年代から4ディケイドを跨いでシングルのオリコン1位獲得記録を有しているのは有名だろう。この最新シングルで記録を更新できるかも興味深いが、すでにソングライターとしては5ディケイドでのNo.1を獲得済みで、そのももいろクローバーZ“泣いてもいいんだよ”のセルフ・カヴァーも本作には収録。 *轟

 

 

CELINE DION Let's Talk About Love Epic(1997)

カナダの誇るディーヴァが絶頂期に残した一枚。デヴィッド・フォスターを中心にビー・ジーズキャロル・キングバーブラとも縁深い顔ぶれを要所に配して、明確な憧れと歌い手としてのタイプの違いをそれとなく表明している。バーブラは“Tell Him”に堂々降臨し、『Partners』でも組むことになるウォルター・アファナシエフとの手合わせも済ませています。