復刻サイクル的に現在は入手困難なブツが多いのでご容赦ください。本作は映画「追憶」と主題歌のヒットに便乗した急造作の趣ながら、勢いのある時は何をやっても良くなる好例だろう。キャロル・キングポール・サイモンの解釈もミシェル・ルグランの従来路線も凛々と美しい。

 

 

ジェフリー・レッサールパート・ホルムズをプロデューサーに抜擢した瑞々しい一枚。スティーヴィー・ワンダーのスロウ“You And I”、フォー・トップス曲をフィリー風に仕立てた“Shake Me Wake Me (When It's Over)”といったソウル・ナンバーでも表現力は見事だ。

 

 

キッチュなジャケも最高だが、ニック・デカロジャック・ニッチェのアレンジ、リー・リトナーハーヴィー・メイソンらのプレイが光るキャッチーなロック~AORの中身も最高! 『Partners』で本人と再録するビリー・ジョエル“New York State Of Mind”もすでに取り上げていた。

 

 

BARBRA STREISAND Wet Columbia(1979)

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ドナ・サマーとの特大ヒットを含みつつ、新作でも取り上げた“Come Rain Or Come Shine”や絶品バラード“Niagara”など聴きどころの詰まった佳作。デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンをはじめ、西海岸AORの腕利きが大挙参加しているのも贅沢だ。

 

 

バリー・ギブと恋の罪をテーマに作り上げた、30代最後のオリジナル・アルバム。ディスコの狂騒からアダルトな情緒に傾いていた時期のバリーだけに、シカゴ・ソウルやフィリー由来のメロウなアレンジも交えて小粋な昼顔ムードが演出されている。キャッチーな名曲だらけです。

 

 

BARBRA STREISAND Emotion Columbia(1984)

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複数のプロデューサーを起用したカラフルな一作。3曲を手掛けたモーリス・ホワイトEW&F)のほか、リチャード・ペリーの軽快なポップ・ファンクは同時期のマドンナっぽい? キム・カーンズジョン・メレンキャンプダイアン・ウォーレンらが作家に名を連ねている。

 

 

彼女の代表作に挙げる人も多い最重要盤だろう。いきなりルーツ回帰を図り、「ウエストサイド物語」や「回転木馬」などの著名ミュージカル曲を通じて高貴な歌唱とオーソドキシーを響かせた聴き心地は何ともリッチ。現在に至るまでのバーブラ像を再確立した意味でもデカい。

 

 

25年を経てバリー・ギブとふたたび寄り添った『Guilty』の続編! アンディ・ギブ“(Our Love)Don't Throw It All Away”のカヴァー、バリーと息子たちの共作もあり、齢を重ねてロマンティックな輝きが鈍色に変わったぶん、以前よりもコクはより深く。まさにギブ&テイクな逸品。

 

 

2000年代の終わり際ギリギリで全米1位を獲得したアルバム。ダイアナ・クラールと選曲段階から向き合い、彼女のバンド構成員やジョニー・マンデルらのアレンジを得て、ジャズからボサノヴァまで丁寧に練り込んだ中身は極めて上質。当時のオバマ支援ムードも伝わってくる。

 

 

OTHER DISCOGRAPHIC

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The Second Barbra Streisand Album(1963)
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