西海岸のビーチ名を冠した前2作に続いて自身の出身地をタイトルにした2年10か月ぶりの新作。ドクター・ドレー『Compton』への参加もあってアフターマス入りして放った今作では、ドレーもラップやミックスを含めて助太刀し、大御所から新鋭まで豪華ゲストを迎えて総力戦で制作に臨んでいる。ブラックスプロイテーション風の序曲がアルバムの内容を示唆するように、ドラマーでもある彼らしくパーカッシヴに快走するケンドリック・ラマー客演のブギーな先行曲“Tints”のほか、Q・ティップやプッシャTの参加曲など70年代ソウル/ファンク要素の滲ませ具合は過去作以上に顕著で、“Anywhere”ではスヌープ・ドッグらとメロウにGファンク回帰。力強いビートで前進しながらのルーツ探訪感が香しい。