H ZETT Mが5月19日(日)に〈ピアノ独演会2019 春 -東京オペラシティの陣-〉を開催する。

鍵盤を自由自在に演奏し、一度として同じステージはないと言われるピアノ・ソロ・コンサート〈H ZETT M ピアノ独演会〉。近年は、全国から開催オファーの絶えない人気公演となっている。そんな〈ピアノ独演会〉だが、今回は5月19日(日)に東京・ 初台の東京オペラシティ コンサートホールにて開催されることが発表された。

H ZETT Mがピアノ一台で観客と向き合って即興性の高い演奏を披露し、何が飛び出すかわからないと評判の同公演。オペラシティでの開催はH ZETT M史上最大級のものとなり、リピーターといえども観逃せないコンサートとなるだろう。

オペラシティでの〈ピアノ独演会〉開催の報と共に、1月26日(土)に埼玉・戸田市文化会館大ホールで行われた〈ピアノ独演会2019 -新年の響きの陣-〉のライヴ・レポートが届けられた。ファン必読のレポートとなっているので、ぜひこちらもご覧いただきたいところ。

 

晴れ渡る空の下、本年最初のピアノ独演会ということで、戸田市文化会館ホールには女性を中心に、音楽通の男性たちから、H ZETT Mのトレードマークと同じように鼻を塗った家族連れや老夫婦など幅広い年齢層の人々が集う。

会場に入ると目に入ってくるのが、ピアノの後ろに置かれた、丸に〈独〉と書かれた大きな暖簾。これがこの公演のトレードマークだ。照明が落ち、これから始まるショーへの大きな期待が込もった拍手のなか、H ZETT Mが登場。

ステージセットのジュークボックスからリアルタイムで流れるラジオをSEのように使い、本編がスタート。“未完成ワールド”から始まりルーパーを駆使した“極秘現代”へと続いていく。ピアノの音を重ねる緊張感と共に観客を世界に一気に引き込む。

だが少しの間を置いて始まった次の曲では自身の声をサンプリング、エディットしながらピアノを合わせて会場の埼玉県戸田市をコミカルに表現。客席からは笑い声が溢れ、一転会場はアットホームな雰囲気に。この緩急のつけ方がH ZETT Mのステージ・パフォーマンスの大きな魅力だろう。柔らかい空気のなかで、時折見せるテクニックが緊張感を途切れさせない。

そのまま楽曲は“踏み出すニュー”“ほろ酔いバランス”と続きながら、“北風小僧の寒太郎”のメロディーが入り込んできて、観客とコール・アンド・レスポンス。その日の関東は北風も強く厳しい寒さであったが、その粋な演出に会場も暖かくなる。

その後も“スーダラ節”を演奏してみたり、H ZETTRIOの“Fusion in Blue”に“Get Wild”を混ぜていくなど、誰もが知る楽曲を時に大胆に、時に繊細にアレンジしていく様は、常に人々を楽しませることを忘れない彼の姿勢がよく表された瞬間。音のエンターテインメントに浸っているとあっという間に第一部が終了。大きな拍手のなか、客席の明かりが点いた。

15分の休憩の後、このピアノ独演会の大きな特徴でもある第2部がスタート。先ほどまで会場を彩っていた大きな暖簾からステージセットの小物、照明もスピーカーもなくなり、ステージにはピアノ一台のみ。

そこにH ZETT Mが登場。第1部とは衣装の雰囲気も変わり、モードなジャケット・スタイルに。先日ミュージック・ビデオが公開されたばかりの“ランドスケープ”、その映像のように不思議な緊張感が会場に漂い始める。

ここからが文字通り〈ピアノ一台だけで観客と向き合う〉独演会スタイルの真骨頂だ。H ZETT Mとオーディエンスが作り出す心地よい緊張感と静寂のなか、“永遠は見つからない”でスタート。先ほどまでよりも、より自由に鍵盤の上を駆け巡る指先。特に“水の流れ”や“ボレロ”では美しい旋律が独特のアレンジにより解体、再構築され新たな印象を持って届けられた。

大観衆のなか、ピアノから放たれる音が次々と空間を埋めていく。演奏が進むに連れ、その勢いは増していき“ショーが始まる”“新しいチカラ”と頂点に達したところで第2部が終了。息を飲むような圧巻のステージに割れんばかりの拍手。第2部もまた息をつかせぬ展開で終了。

鳴り止まない拍手のなか、アンコールに応えたH ZETT M。この日は“Akatsuki”を演奏。久しぶりの楽曲に客席は驚きと歓喜と興奮で溢れる。だが、そこに“水戸黄門のテーマ”を入れ込んでくるなど、ユーモアとシニカルさが溢れた彼らしい演奏で会場中が湧く。そして“BRICK & GLORY”で締め、本年最初のピアノ独演会は幕を閉じた。

時代が変わる今年の始まりを、その何物にも縛られないスタイルで彩ったH ZETT M。名曲も童謡も、ちょっと笑ってしまうような楽曲も自由に行き交う彼の演奏スタイル、それは彼自身の自由で平等な熱い音楽への愛からくるものに違いない。

 

今後は一公演、一公演がより貴重なものになってくるであろうこの〈ピアノ独演会〉。昨年、台風により延期になった四国初開催の6月の香川振替公演、先日発表されたばかりの東北初開催の3月の仙台、5月の愛知・岡崎に続き、5月19日(日)には東京オペラシティ。今後の開催スケジュールもぜひチェックしてほしい。

 


Live Information

〈ピアノ独演会2019 春 -杜の都の陣-〉
3月17日(日) 宮城・仙台電力ホール
開場/開演:16:00/17:00
前売り:5,000円(税込)
チケット発売日:1月26日(土)
※全席指定
※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要
お問い合わせ(仙台放送事業部):022-268-2174(平日 9:30~17:30)

〈ピアノ独演会2019 春 -三河国の陣-〉
5月18日(土)愛知・岡崎市シビックセンター コンサートホール
開場/開演:16:30/17:00
前売り:3,500円(税込)
チケット発売日:2月23日(土) 
※全席指定
※未就学児入場不可
お問い合わせ(岡崎市シビックセンター):0564-72-5111 

〈ピアノ独演会2019 春 -東京オペラシティの陣-〉
5月19日(日)東京・初台 東京オペラシティ コンサートホール       
開場/開演:16:00/17:00
前売り(S席/A席):5,000円/4,500円(税込)
チケット一般先行発売:2月12日(火)
チケット発売日:2月23日(土) 
※全席指定
※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要
お問い合わせ(一般社団法人未来音楽企画):03-5946-9455 

 

〈ピアノ独演会2018秋 -初四国の陣- 振替公演〉
6月2日(日) レクザムホール(香川県県民ホール)
開場/開演:16:00/17:00
前売り:5,000円(税込)
※全席指定
※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要
お問い合わせ(DUKE 高松):087-822-2520