デビュー5周年のベスト盤を経て、約2年ぶりのフル・アルバムが到着。浮ついたシンセを纏ったアップ・チューン“渦(neon)”、ギターをフィーチャーしたオーガニックな味わいの“泡”、スロウなアーバン・ブギー“darling”、ボッサ調のビートでトロピカルな開放感を演出する“Waver”……前作のジャンルレスなアプローチを引き継ぎ、より多様に拡散するサウンドを揃えている。特にディスコ歌謡“摩天楼”の下世話なギラつきっぷりと、N.E.R.D味のラップ・パートと甘いヴォーカル・パートを接合する“The game”の折衷的なセンスに新鮮な驚きが。自由に音と戯れながらiriの世界へと手繰り寄せる、堂々たる風格を示した5作目だ。初回盤は、自身の選曲による裏ベスト的な16曲を収録したディスクが付属する2枚組。