壮絶な熱量と絢爛な艶やかさを纏った鋼鉄の振動!──色とりどりのシャンデリアのように5人の個性が煌めく新作に幻惑されて……!

 Aldiousが放つ通算4枚目のアルバム『Dazed and Delight』。豪快かつ絢爛に疾走する“Butterfly Effect”で幕を開ける全12曲は、〈暴れ狂うがいい〉と壮絶な熱量で攻め立てるRe:NO(ヴォーカル)とトキ(ギター)の共作曲“Megalomaniac”や、「それとは逆で、聴かせる曲にしたかった」と話すサワ(ベース)が昔から温め続けていたミディアム“アネモネ”、そしてシングルとして発表された屈指の名バラード“I Don’t Like Me”など、実にヴァラエティー豊か。しかもそれらが、しっかりとした統一感を持って届けられる。それはAldiousのカラーが確立されてきた証拠であるのと同時に、今作のコンセプトともリンクしている部分だ。

 「今回は〈シャンデリア〉というコンセプトがあるんです。シャンデリアと言っても単色じゃなくて、カラフルなもの。ギャル系のショップとかにあるんですけど、カラー・ドレスを着て5人が並んでいるところとそれが似ているな……と思ったのと、Aldiousはみんな作曲をするけど、やっぱり全員色が違うんですよね。その一曲一曲が出しているさまざまな色を集めたようなアルバムになっていて」(Re:NO)。

 「カラフルなシャンデリアがあるっていうことを知らなくて、こんなんあるんや!って驚いたけど(笑)、私たちのイメージにピッタリだなと思いました。普通のシャンデリアだと結構ありがちなテーマに繋がるのかな?って思うけど、やっぱりそういうカラフルな部分もあって、いままでにない個性のあるものになっていると思います」(サワ)。

Aldious 『Dazed and Delight』 Bright Star(2014)

 そんなカラフルさ=曲調の幅は、これまでよりもさらに拡大。“Butterfly Effect”のように〈Aldiousらしさ〉を突き詰めた曲もあれば、不穏でありながらどこか心地良い“The Breeze at Dawn”で変拍子の打ち込みを取り入れたり、“魅惑のパレード”ではジャジーなサウンドを打ち出したり……と、ここで聴かせているのは、リーダーのYoshi(ギター)いわくAldiousの「王道と邪道」である。

 「好き嫌いは分かれるかもしれないですけど、王道的なことばっかりやり続けていても、聴いている人も、やっている自分たちも飽きると思うので。新しい一面として見てもらえたらなと思います」(Yoshi)。

「ものすごく幅が広くて、もしかしたらこの先、ハワイアンな曲を作ってくるんじゃないか?って思うぐらいで(笑)。でも、やりたいことはわかるけど、カッコ良くないパターンってよくあるじゃないですか。そういうものがここにはまったくなくて、こういうAldiousはアリだなって思いました」(トキ)。

 そんなさまざまな表情を持つ楽曲たちを歌い上げるRe:NOの声も、いつにも増して力強く、感情豊かに響き渡っている。

 「今回のレコーディングは、単純にすごく楽しかったんですよ。くだらない感情とかヘンなプレッシャーとかもなく、素直に曲と向き合えていて。やっぱりみんなの曲の世界観が全然違うから、〈こういうふうに歌おう〉と思う前に自然とそうなったし、曲に引き出してもらった感じがあります」(Re:NO)。

 「聴き比べてもらうとわかるんですけど、本当に桁違いに良くなったんですよ。スタジオに入って練習しているときも、そこはすごく感じましたね」(トキ)。

 「ここから過去最高本数のツアーを回るんですけど、アルバムでは新しい部分や成長を出せたし、そこはライヴに通じてくる部分でもあるので、楽しみですね。新しい世界観を見せられたらいいなと思います」(Yoshi)。

 

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 ここではAldiousの近作を紹介します。2012年夏に新ヴォーカリストとしてRe:NOが加入。同年11月にはシングル“White Crow”(Bright Star)をリリースし、年末にかけて新体制でのツアーを敢行しました。2013年5月には、通算3枚目となるアルバム『District Zero』(同)を発表。オリコン・ウィークリー・チャートにおいて初のTOP10入りを記録します。10月には両A面シングル『Dominator / I Don’t Like Me』 (同)をリリース。2014年2月には、前年夏の全国ツアーから最終日の模様を収めたライヴDVD「District Zero Tour ~Live at Shibuya O-EAST~」(同)を、5月にはシングル“Other World”(同)を発表。5人が艶やかなカラー・ドレスに身を包んだ“Other World”のジャケットは、ニュー・アルバム『Dazed and Delight』のコンセプトにも繋がったようです。 *bounce編集部
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