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Ⓒ2019 PLUG FLOWSHOW
 

海外の人、昔の人、未来の人にも聴かせたいキメラ民謡

――今回は1曲目の“桑名の殿様”を聴いた時に、8bit感・チップチューン感は少し減ったのかなと感じたんですけど、5年間で意識の変化だったり、あるいは制作環境の変化だったりはありましたか?

「“桑名の殿様”は三重県の民謡ですけど、金沢さんが三重県の長島温泉限定でCDをリリースしている曲で。そこにいろんな要素を入れたから8bit感が少ないのかもしれないですね。確かにアルバムの前半は、〈1つのパートとしてゲームボーイがいるな〉くらいの比重の曲もあるんですが、基本的には何も変わってないと思います。それと最近はライヴ・パフォーマンスを多くやるようになったので、〈ライヴのなかでどういうふうにやるか〉っていうことは無意識のうちに考えちゃってるのかもしれないです。でも作った後でライヴでどうやるか悩むこともあるから、どうだろうな……(笑)」

――後半になっていくとチップ感は戻ってきますが、例えばハウス・セット寄りの音になったのかなとも思いました。

「自分でも意図してないですけど、あるのかなあ。でも8bitの定番的な表現、例えばトレモロとかは自分のなかでやりすぎた印象があったので、いわゆる定番の表現じゃなく、ただファミコンやゲームボーイの音色で和音を弾く、みたいなことをけっこう試しました。〈この楽器はこう弾くとこうなる〉みたいなものがけっこう出来上がっていて、そういう定番にも飽きてはいないですけど、そこと違う表現はないかなって思って試したんです。やりすぎると素のシンセの音に近くなっちゃうんですけどね」

――でもそれはそれで美しくて、なぜ三角波とか矩形波と言われるものがこんなに美しく響くんだろうって思います。人工的な波形なはずなのに人の感情に訴えるものがある。

「不思議ですよね。自分もそういうものをすごく感じます。例えば〈ゲーム機の音を聴いたことがない人に聴かせたらどう思うかな〉って考えたりもして、試してみたいです。すごく昔の人だったり、それかファミコンやゲームボーイを知らない未来の人だったり」

――未来の人はOmodakaを聴いて、〈これが日本の民謡か〉って思うかもしれないですね。

「それだったらありがたいけど、全然本当の民謡じゃない(笑)。合成民謡、キメラ民謡だと思ってもらえれば」

――また、すでに海外公演も何度も経験されていますが、来年は海外の方もたくさん日本にいらっしゃるわけで、海外の方にも聴いて観ていただきたいですね。

「海外の人も〈これが日本の民謡なのか〉って勘違いしてくれたらいいですね(笑)。今年は6月の上海など海外でOmodakaをやる機会に恵まれて、年末もモスクワで演奏する予定です」

――世界の反応はどうですか?

「これまで北米、ヨーロッパ、オーストラリア、中国でやってきて、呼んでくれる時点でいろいろ調べてくれて理解があるからだとは思うけど、どこも反応が良くてすごく喜んでくれるんです。特に中国ではいまエレクトロニックな音楽が盛り上がっているみたいで、それは意外な発見でしたね」

――今後の予定はいかがですか?

「ようやくアルバムが出るので、その内容に沿ったライヴを考えていって、いろんなところでライヴをやりたいですね。そのためには新曲の映像も作らなくちゃいけなくて、映像をお願いしたい作家の方もいるので、そっちも進めないといけないし。大変ですけど、すごく楽しいです」

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