ダンス☆マン&桑マンとのディスコはまさに極楽!

 〈世界のこころのデパート〉をコンセプトに活動する4人組グループ、クマリデパート。〈@JAM〉とタワレコのコラボ・レーベル=MUSIC@NOTEに加入してからグングン躍進してきた彼女たちは、5月のファースト・フル・アルバム『ココデパ!』リリース以降も勢いは衰えず。東名阪ツーマンツアーを成功に導き、同じekomsに属するMaison book girlやZOC、そしてプロデュースを務めるサクライケンタの飛躍も相まって、さらに存在感を大きくしているような印象すら受けます。そんななかでニュー・シングル“極LOVE浄土”が届けられることになりました。

クマリデパート 極LOVE浄土 MUSIC@NOTE(2019)

 クマリ楽曲のおもしろさはサクライが作詞/作曲を手掛けつつも、多彩なアレンジャーによって思わぬ驚きが飛び出してくるところにもありますが、今回はまた突拍子もないチャレンジになっていて……まず表題曲の“極LOVE浄土”は、サクライの詞曲にあのダンス☆マンが編曲を担当した超異色の顔合わせ! ダンス☆マンといえばミラーボール星からやってきた宇宙人で、持ち前のディスコ愛を活かしてソウル/ファンクのエッセンスを親しみやすく提示してきたシーンの大御所であります。かつて空耳ディスコ的な人気を博した自身の作品はもちろん、モーニング娘。がブレイク期に連発した国民的ヒット“LOVEマシーン”や“恋愛レボリューション21”など以外にも、はっぱ隊/バンドじゃないもん!の“YATTA!”、清竜人25やこぶしファクトリー、つばきファクトリーなどなど数多くのアイドル・ソングでもアレンジを手掛けてきましたが、クマリとの合体は流石に予想外! そういえばクマリのアルバムでは“ウダガワ・ヨッキュー”がハロー!プロジェクト風味の新境地を見せていましたが、ここで繰り出されるアッパーで賑やかなディスコの楽しさはまさしく極楽浄土行きのレヴェル?

 さらにサプライズなゲストとしてはミュージシャン/俳優/マルチ・タレントとしてお馴染みの〈桑マン〉こと桑野信義がトランペット演奏で参加していること。桑野家ユニットのKuwanomixでのアルバムも記憶に新しい桑マンですが、そこでの甘いシンガーとしての姿とはまた異なり、ミュージシャンシップをきっちり発揮してリアルタイム世代ならではのタイトなセンスを見せつけてくれています。ちなみにこのコラボ、桑マンの愛息とekomsチームのサナダタクミが某ユニットで活動を共にすることから実現した縁かと思われますが、想像以上の化学反応は大成功なのではないでしょうか!

 なお、カップリングに収録の“眠れない夜は。”は、そのサナダが作詞を担当し、K'sが作編曲を担当したラヴ・バラード仕立ての佳曲。いつになく大人っぽいトーンはこれからの寒い季節にもマッチしそうなもので、しっとりした歌唱も含め、これもまたクマリデパートの新たな魅力を窺い知れる仕上がりと言えましょう。

 これまで一貫性のある衣装やヴィジュアル展開で爽やかなデパート感を見せてきた4人ですが、サイバーにギラついた新しいアーティスト・ヴィジュアルやジャケからもわかるように、その魅力はもはや一面的なものに止まらず。これがスペシャルなお祭りなのか、はたまた今後の大きな変化を示唆するひとつの道標なのか……ここからさらに大きく育っていく4人の活躍にますます期待が高まりますね!

“極LOVE浄土”に参加したアーティストの作品を紹介。

 

クマリデパートの近作を紹介。