ニュー・シングル『きっと、はじまりの季節』も話題のアイドル・グループ、RYUTist。12月2日(月)に開催するTWEEDEES × Orangeadeのツーマン・ライヴでは、彼女たち4人に会場BGMの選曲をお願いしています。
そんなRYUTistのメンバーで〈本好き女子〉として知られる宇野友恵さんが書評を執筆するこの連載、早くも第3回となりました。今回のお題は渋谷直角さんの漫画「さよならアメリカ」。ずいぶんと難産だった寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」についての第2回と比べて、今回はちょっとリラックスして取り組めたようで。「さよならアメリカ」を読んで感じた〈想いを馳せること〉というテーマを、生活実感とともに言葉にしてくれました。 *Mikiki編集部
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はろぴょん!
RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!
第3回目にご紹介する本は、渋谷直角さんの「さよならアメリカ」という漫画さんです。
漫画だと読みやすいのではないかと選んだのですが、性分というやつでしょうか、過去の作品も読まないと失礼になるのではないかと思ってしまい、
「RELAX BOY」
「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」
「ゴリラはいつもオーバーオール」
「奥田民生になりたいボーイ 出会う男をすべて狂わせるガール」
など、今すぐ手に入る渋谷さんの作品を読みました。
渋谷さん原作のTVドラマ 「デザイナー 渋井直人の休日」もYouTubeで観られるものは観ました……すみません。
(新潟はテレビ東京の電波がはいらない。)
またまた遅くなってしまいました。
すみません……決してダラけているわけではないのです!!
今回「さよならアメリカ」を選びまして、Mikikiさんで連載をさせて頂いているため、ちょっとでも音楽が絡んだ作品を選んぶように心がけています。(まだ3回目ですが……)
タイトルを見た時に、はっぴいえんどさんの楽曲“さよならアメリカ さよならニッポン”にかかっているのではないかいう話になり手にとりました。
実際は音楽を主体にした話ではなく、アメリカ好きだけど、飛行機が怖くて一度もアメリカに行ったことがない主人公・安藤さんのお話でした。舞台は彼が営む、理想を形にしたアメリカンダイナーで、登場人物はそこで一緒に働く仲間達です。
安藤さんは旧友の遺品の中からアンディ・ウォーホルの未発表スケッチブックを見つけます。
思いがけないビッグ・ニュースにTV、新聞、雑誌……あらゆるメディアから取材がきて、安藤さんはたちまち時の人に。
もて囃される安藤さん。
しかしそのスケッチブックは旧友がNYのアンディ・ウォーホルの家から盗んできたものだったのです。
世間の目は一変。安藤さんは真実を言えずに盗難者扱いをされてしまいます。
風向きが変われば世間は彼を攻めます。
どん底に落ちてしまった安藤さんを救ってくれたのは、彼の人間性を理解しているダイナーの仲間達や彼を知る人達でした。
そこから話はエンディングに向かいます。
この結末がどうなるかは是非手に取って読んでみて下さい。
この本から感じたのは安藤さんが〈想いを馳せている〉ことです。
想いは愛情で、それが知識になっています。
今回、安藤さんが発見したスケッチブックは、アンディ・ウォーホルの作品を知らない人からすると価値はないただの落書き。
アンティークも同じ。
気付かない人には古い家具、食器でしかないです。
気付く人と知らない人で価値が変わり、知識が自分の生活を豊かにしていることに憧れを感じました。
(このお話では、安藤さんは捨て目が利くことで大変な事態になってしまうのですが。)
友は最近料理をするのですが(家事手伝い)、食器や食材に目がいくようになって、
〈この間より安い!〉
〈このグラムで足りるかな……〉
〈食器カワイイな。〉
と、世界が広くなっている!! 興味が自分の生活の幅を拡げている事に気付きました。
アメリカに行けなかった安藤さんは、
アメリカを好きになるために沢山興味をもち、想いを馳せていたのだろうと思います。
想いを持った人達の憧れが付加価値を生み、稀少な品、アンティークとして今も受け継がれていると思うと素敵ですよね。
主人公の安藤さんは、お店とお家のインテリアはすべてアメリカ仕様、クリスマスのモミの木もしっかりオレゴンから輸入、マグカップがつくられた年代まで判別できて、コーラさえも小ビンじゃないとダメなマニアさん 。
その中でおっ!!と思ったワンシーンは、RYUTistスタッフの安部(博明)さんが仙台さんで数年前に見つけて〈事務所が出来たら飾るんだ。〉と言っていたUNDERCOVERさんのハンバーガーランプさんが出てきた場面 。(目玉と表情がツボで超可愛いです。)
今も事務所は出来ていないので……ハンバーガーランプさんはどこにいったのでしょうか。ちょっと気になる所です。
注目して欲しい点は、この物語にアメリカの物がたくさん散りばめられていたことです。
読む回数を重ねる程に、〈これもかな!? もしかしてここも?〉とアメリカの文化や歴史に繋がっている部分を発見できて興味深かったです。
流石に多すぎて全部は調べきれなかったのですが……。
アメリカのロックに想いを馳せながら日本語ロックの基礎を作った、はっぴいえんどさんの“さよならアメリカ さよならニッポン”。
もしかしたらそんな想いもあったりしないかなと勝手に空想しながら、
第3回目は渋谷直角さんの「さよならアメリカ」さんの書評さんでした。
お読みいただきありがとうございました。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2019年10月29日
品番:PGDC-0011
価格:1,200円(税抜)
TRACKLIST
1. きっと、はじまりの季節 作詞・作曲:弓木英梨乃 編曲:sugarbeans
2. Never let me back 作詞:南波一海 作・編曲:東新レゾナント
3. 愛のナンバー 作詞・作曲:℃-want you! 編曲:武藤星児 コーラスアレンジ:カンケ
LIVE INFORMATION
RYUTist presents「HI, HOW ARE YOU with Magic, Drums & Love」
2019年11月24日(日)東京・渋谷 TSUTAYA O-Crest
開場/開演:12:30/13:00
ゲスト:Magic, Drums & Love
https://ryutist.jp/9807/
RYUTist presents「HI, HOW ARE YOU with クマリデパート」
2019年11月30日(土)東京・赤羽ReNY alpha
開場/開演:13:30/14:00
ゲスト:クマリデパート
https://ryutist.jp/9809/
RYUTist presents「HI, HOW ARE YOU with ヤなことそっとミュート」
2019年12月15日(日)大阪 MUSE
開場/開演:11:30/12:00
ゲスト:ヤなことそっとミュート
https://ryutist.jp/9812/
「きっと、はじまりの季節」発売記念インストアイベント
2019年11月23日(土)13:00~ タワーレコード渋谷店6F パイドパイパーハウス
2019年11月23日(土)18:00~ タワーレコード錦糸町パルコ店
2019年12月8日(日)12:00~ HMV&BOOKS SHIBUYA
2019年12月8日(日)16:00~ タワーレコード渋谷店 5Fイベントスペース
2019年12月14日(土)18:30~ 名古屋パルコ西館1階 イベントスペース https://penguin-disc.amebaownd.com/posts/7149051
RYUTist “HALL” LIVE @ りゅーとぴあ劇場
2020年6月20日(土)りゅーとぴあ 新潟市⺠芸術文化会館・劇場
開場/開演:17:00/18:00
前売り:4,000円(税込/ドリンク代別)
※中学生以下保護者同伴、小学生以上チケット必要、未就学児童は保護者の膝上であれば入場可
※写真、動画の撮影、及び録音は禁止とさせていただきます
11月23日(土)12:00~プレオーダー受付開始
https://ryutist.jp/9882/
INFORMATION
北書店
新潟県新潟市中央区医学町通2番町10-1 ダイアパレス医学町101
営業時間
月~金曜日/土・日曜日・祝日:10:00~20:00/12:00~20:00
定休日:第1・第3日曜日
電話番号:025-201-7466
http://kitashoten.net/
https://twitter.com/kitashoten
PROFILE:宇野友恵
新潟県新潟市中央区古町から誕生したアイドル・グループ〈RYUTist〉のメンバー。安定した歌唱力と、豊かな表現力でライブを支える小さな巨人。いつもニコニコ、スマイルともちぃ!
〈RYUTist〉は新潟市を表わす〈柳都(りゅうと)〉に〈アーティスト〉を加えた〈新潟のアーティスト〉という意味から。2011年5月の〈アイドルユニットオーディション〉によりメンバーを選抜して始動。新潟市古町7番町のライブハウスを中心にライブ活動を展開。2016年4月より五十嵐夢羽、宇野友恵、佐藤乃々子、横山実郁の4人体制へ移行し、ハコイリムスメとの合体ユニット〈柳箱〉としても活動。
2019年の最新シングル『きっと、はじまりの季節』を含め、これまでにシングル8作、アルバム3作を発表している。2020年6月20日(土)には、りゅーとぴあ劇場(新潟市民芸術文化会館)でのワンマン・ライブを開催。