ストリッパーでもあったアトランタ出身の23歳。本作は昨年のミックステープに続く実質的な2作目で、前作での“Girls Need Love”をドレイク客演版で収めつつ、恋仲の噂もあった同郷の気鋭ロンドン・オン・ダ・トラックらと組み、トラップ基調のR&Bを展開。パーティネクストドアやジェネイ・アイコ、所属するLVRN仲間のブラックの客演も含む密室的な楽曲は気怠い歌声もあってエラ・メイやH.E.R.との同時代性を感じさせる。“Body”では702、ブライソン・ティラーとの共演版もある“Playing Games”ではデスチャ曲を引用するなど90年代R&Bへの憧憬も色濃く、アッシャー“You Make Me Wanna...”使いの“Come Thru”ではネタの張本人も招聘。故きを温ねてアトランタのいまを伝える充実作だ。
サマー・ウォーカー 『Over It』 アトランタ発の23歳、故きを温ねてアトランタのいまを伝える充実作
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