15周年イヤーを締めくくる映像作品が登場! 2019年7月27日に大阪・舞洲スポーツアイランド 太陽の広場 特設会場で開催された結成15周年記念ライブの模様を収録した映像作品だ。

UNISON SQUARE GARDEN UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Live『プログラム15th』at Osaka Maishima 2019.07.27 Toy's Factory(2019)

2019年、UNISON SQUARE GARDENは結成15周年を迎えた。B面集ベスト・アルバム『Bee side Sea side ~B-side Collection Album~』、トリビュート・アルバム『Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~』がリリースされるなど、アニバーサリー・イヤーを祝う活動を続けてきた彼ら。本作『UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Live「プログラム15th」at Osaka Maishima 2019.07.27』は、2019年7月27日に大阪・舞洲スポーツアイランド 太陽の広場 特設会場で開催された結成15周年記念ライブ「プログラム15th」のすべてを収録した映像作品だ。

台風の影響による雨も上がり、「プログラム15th」と記されたフラッグが掲げられたステージに登場した斎藤宏介(ヴォーカル、ギター)、田淵智也(ベース)、鈴木貴雄(ドラムス)。2万5000人のオーディエンスの前で3人は、15年の活動のなかで築き上げた楽曲、ステージング、オーディエンスとの強い絆をダイレクトに体現してみせた。まずはセットリスト。メジャー・デビュー曲“センチメンタルピリオド”、このバンドの名前を広く知らしめた“リニアブルーを聴きながら”、ヒット・チューン“シュガーソングとビターステップ”、ライブアンセムとして強く支持されている“天国と地獄”、“徹頭徹尾夜な夜なドライブ”からインディーズ時代によく演奏していたという“水と雨について”まで、これまでの軌跡を追体験できる楽曲が収録されている。

特に印象的なのは、“プログラムcontinued(15th style)”。結成10周年で発表された“プログラムcontinued”の歌詞を15周年用に書き換えた楽曲だ。〈今日くらいは祝ってくれよ!〉というフレーズに反応するように、オーディエンス側から〈15周年おめでとう!〉と叫ぶシーンは本作の大きな見どころの一つだ。

メンバーのプレイを至近距離で〈目撃〉できるのも本作のポイントだろう。たとえば“オトノバ中間試験”。鈴木の豪快なドラム・ソロ、スラップ奏法を交えた田淵のプレイ、斎藤の切れ味鋭いギター・リフが絡み合い、彼らにしか体現できないバンド・グルーヴにつながる流れは驚くほどにスリリング。汗だくのメンバーが視線を交わし、呼吸を合わせるシーンも多く、3人のアンサンブルを生々しく体感できるのだ。高濃度のポップネスとロック・バンドとしてのダイナミズムを併せ持ったUNISON SQUARE GARDENの音楽は、斎藤、田淵、鈴木のプレイヤビリティがなければ実現しなかった――そんな当たり前の事実をぜひ再確認してほしい。

ふだんのライブのMCでは多くを語らない彼らだが、このライブではバンドや音楽に対する思いをしっかり話している。斎藤は「UNISON SQUARE GARDENのことを好きな人のことをできるだけ大切にしたい。その方法を僕は知っています。それは、これからも自分のために音楽を続けること。そうすればきっと〈いいバンドだな〉と思い続けてくれるんじゃないかなと思ってます」と語り、鈴木は「今日のライブ、カッコいいわ。手ごたえしかない」「俺ら、こう見えてもマジメで。マジメで才能あって、一生懸命やってたら、敵ない。それを今日のライブで証明できてる」とコメント。さらに田淵が「UNISON SQUARE GARDENちゅうのは、すげえバンドだな! 今日はよく来た!」と観客に感謝の気持ちを伝えた。音楽を介した純粋なコミュニケーションを掲げている彼らが〈言葉〉で思いを表現したこの場面も、15周年だからこそ実現した貴重なシーンと言えるだろう。

全26曲を演奏し終わると、15発の花火が打ち上がり、大型ヴィジョンには〈Thank You 15th Anniversary! See You Next Live!〉の文字が映し出される。15周年に際してメンバーは「お祝いされるぞ!という気持ちでいっぱい」と語っていたが、この作品はもちろんゴールではなく、彼らはいまも〈次のライブ〉に向けて楽曲を作り、アンサンブルを磨き続けているのだ。記念碑であり、通過点でもある本作をじっくり楽しんだ後は、ぜひ、次のUNISON SQUARE GARDENのライブに足を運んでほしいと思う。

また本作の初回限定盤には、インディーズ時代の楽曲“水と雨について”から最新シングル“Phantom Joke”までのミュージック・ビデオを収録。全MVを時系列で追うことでUNISON SQUARE GARDENの進化と変化を実感してもらえるはずだ。