暴れ狂うギター・サウンド、しなやかなグルーヴ、絶品のコーラスワークは冒頭曲から健在で、それらを駆使した予測不能に伸び縮むtricotらしい奇怪なアンサンブルを浴び続けるうちに、快楽へ堕ちている——そんな魅惑に満ちたメジャーからの初アルバム。リズムのズラし方や不穏なワードの積み重ねが光る“みてて”、中嶋イッキュウの歌をシンプルに立たせた“危なくなく無い街へ”なども良い。結成10年目。脂が乗っている。