毎週火曜(歌謡)日に更新中の、Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯による、最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今週は第50回です。紹介した楽曲はSpotifyとYouTubeのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyのプレイリスト
 
YouTubeのプレイリスト

 


【酒井優考】

挫・人間 “ソモサンセッパ”

スプートニクラボ様から『ブラクラ』のサンプルが来た時は、〈この“千本桜”みたいな曲が一番ヤバいな~(もちろんいい意味で)〉と思って聴いてたんですけど、MV観たら別の意味でヤバすぎて大爆笑しました。おかげで気分も晴れて健康に。挫・人間様様です。(梶原さんはブログの原稿が去年の9月で止まっているので早急に書いてください!)

 

ジュンペロ (Junpero) “今過去つ〜渋谷編〜 [Imakakotsu 〜Shibuya Hen〜] - Gt.colormal, Ba.マーガレット廣井 (八十八ヶ所巡礼) [ Gt.colormal, Ba.Margaret Hiroi (Hachijuuhachi Kasho Junrei)]”

V系バンド・DOG inTheパラレルワールドオーケストラのギタリスト、準々さんのソロ作に、個人的に大好きな(でも全然系統が異なる)colormalとマガレさんが参加したハイテンション曲。これすごいことです。どれくらいすごいかと言うと、大好きな店のラーメンとカレーを使って作った鍋みたいなことです(違うか)。他の曲も豪華な客演でハイありダウナーありのバラエティ豊かさ。でもそれ以上にこのジャケがすごい。パワーの塊。

 

tricot “右脳左脳”

善良な市民なのに1年間で最高14回職質を受けたことがあります。失礼しちゃうわ。いつも「任意だから受けません」でOK。

 

曽我部瑚夏 “忘れられた池 feat. Yuki Murata(Anoice)”

また素晴らしい才能を教えていただきました。森の奥深くで誰からも忘れ去られてしまいたい気持ちになる時もあります。

 

【天野龍太郎】

wai wai music resort “Haborland Shuffle (feat. Tsudio Studio)”

私的今週の一曲です。

大盛況に終わった〈Yu-Koh β版〉2デイズ。最高に楽しい2日間でした。出演者のみなさんはもちろんのこと、なにより運営スタッフであるlightmellowbuのbu員たちやLocal Visions主宰のsute_acaさんに感謝とねぎらいを。新型コロナウイルスの感染拡大によって緊迫したいまの東京でイベントをやるということ……。開催までには、言葉にできないような苦労や葛藤がたくさんあったと思います。そんななかで〈やれることはなんでもやる、全部やる〉という態度の、さまざまな配慮がなされた会場設計や運営はすばらしかったです。

さて。こちらは〈Yu-Koh β版〉でも披露されたwai wai music resortの新曲。Tsudio Studioさんがヴォーカリストとして参加していて、サビでツジオさんとLisaさんの歌声が重なる瞬間は鳥肌もの。しかもこのサビ、(どこかキリンジっぽい)メロディーが本当にすばらしくって、胸を打たれます。あと、いつもながらにリズムが凝っていて、ギターやカバサ(?)のパターンにくらくら。『Port Island』オマージュなにとろむさんのアートワークもいい。〈次の作品〉が楽しみすぎ!

 

SNJO “STORM”

〈Yu-Koh β版〉2デイズの大トリを飾ったのは、〈Local Visionsの若頭〉ことSNJOくん。“(They Long To Be) Close To You”のカヴァーからスタートした彼のステージは、最後までしびれっぱなしで最高でした。アンコールでAOTQ“あ・さ”のカヴァーを歌ったことからは、Local Visionsや〈Yu-Koh〉への並々ならぬ気持が伝わってきました。

この“STORM”は、SNJOくんが以前活動していたTOXXIES時代の楽曲で、ライブでたびたび歌われている一曲です。SNJOくんヴァージョンは未発表。なので、聴きたい方はライブへ行きましょう(すばらしい曲なので、いつかSNJOくんの曲として発表してもらいたいです)。次のライブは3月20日(金・祝)。なんと、club asiaのアニヴァーサリー・イベント!

 

mori_de_kurasu “円弧”

〈Yu-Koh β版〉の話題を続けます。森で暮らすさんは1日目にソロで出演、2日目にTsudio Studioバンド・セットに参加、と大活躍。初めて観た森で暮らすさんのライブは、〈生リラクゼーション/ヒーリング・ミュージック〉といった趣で、めちゃくちゃよかったです……!

この新曲“円弧”は、もちろんライブでも演奏されていました。エレクトロニカ的な、ミニマルなプロダクションとニュー・エイジ風のシンセサイザーが、ものすごくユーフォリック。サックスは聴けませんが、雪が降り積もっていく映像が目の前に広がっていくような、静かな銘品。

以上、〈Yu-Koh β版〉にまつわる3曲でした。

 

NNMIE “メキシコ(2020)”

んミィさんが“メキシコ”の〈ミックスを少し変えてみ〉たという“メキシコ(2020)”。この曲の〈なにもない〉というリフレインは本当に〈なにもない〉感じがして、つい口ずさみたくなります。んミィバンドのヴァージョンも必聴。

んミィバンドの次のライブは、3月1日(日)に開催される本日休演の企画〈旅行 Vol.3〉。なんと対バンはキセルです。その後は3月20日に主催イベント〈知らないパレード4〉で、3月21日(土)にinochiとのツーマン〈あした来る人たち〉で演奏。んミィバンドは残念ながら3月いっぱいでしばらく活動休止するとのこと。絶対、いまのうちに観に行ったほうがいいと思います。

 

松木美定『実意の行進/焦点回避』

Local Visionsから発表したシングル『主観』を聴いて、けっこうな衝撃を受けました。最近はライブ活動を熱心にされており、Twitterで話題にしている人も多く、とにかく注目されている人、という印象。

そんな松木美定さんが、“実意の行進”“焦点回避”の2曲をデジタル・リリース(上掲のSpotify以外の配信サービスはこちら)。特に“実意の行進”は、伸びやかで切ないメロディーとドラムのバタバタとしたリズムとの対比にぐっときます。TOWER DOORSによるショート・インタビュー〈6つの質問〉も、この機会にぜひ。

 

【田中亮太】

NEHANN “illusion”

今年、注目しておこうと思っているダークウェイヴの5人組、NEHANN。彼らが新たにデモ2曲を公開しました。この“illusion”では、無機質なビートと艶めかしいギターが緊迫したムードを作り出していてかっこいい。プラシーボのブライアン・モルコを思わせる粘っこい歌声も中毒性高いです。もう1曲の“TEC”は、低域を過激に強調した音作りがユニーク。彼らが3月に出演するライブ・イベント〈TIDE〉や、近いバンド(ですよね?)のWaaterやUsたちから成るコレクティヴ〈SPEED〉など、いま若い世代が自分たちのシーンを形成しつつある印象で、勝手にワクワクしています。

 

【高見香那】

ナナビット『テレスコープ』

Twitter上で出会い、打ち込みの音の粒が心地良すぎてずっと聴いているんですけどいったいどういう方(々)なんでしょう? 特に3曲目、〈夢のすきまに 落っこちた ここはどこなの まるで知らない〉という歌い出しから異次元に連れていかれるようで、とても好き。

 

【小峯崇嗣】

碧海祐人 “秋霖”

愛知県を拠点に活動する宅録音楽家、碧海祐人によるファースト・シングルから。繊細でメロウなサウンドに、澄み切った彼の歌声が絡み合った途轍もないハーモニーに痺れました。君島大空や松木美定などが好きなリスナーにオススメです。

 

Japanese Summer Orange ”Lazy Sunday Morning”

東京を拠点に活動する宅録ソロ・プロジェクト、Japanese Summer Orangeのファースト・アルバム『Escape from Traumatic Situations』がとうとう先週リリースされました。

その収録曲の中から“Lazy Sunday Morning”をピックアップ。ローファイでサイケデリックなギターに、気だるげなヴォーカルが相変わらず最高です。タワーレコードオンラインでも取り扱いありますので、ぜひチェックです。