監督フィリップ・ガレルとしては「ギターはもう聞こえない」の前作にあたる89年作が初ソフト化。自身がモデルの役なのにその役に抜擢されなかったことで監督である夫を責める女優の妻。この妻役を当時のガレルのパートナーのブリジッド・ジィ、監督をガレル自身が演じており、更には監督の父役と息子役を実際のガレルの父(モーリス)と息子(ルイ)が演じるという極私的メタ映画。愛とは何か? などという〈重い〉会話劇が中心だが、その答えを求める映画ではなく、愛とは何か? などと考え求めてしまう人間の映画である。ガレルの手際は相変わらず軽やかで鮮やかだ。
「救いの接吻」フィリップ・ガレル監督の89年作が初ソフト化 重い会話劇から〈愛とは何か?〉を考える人間の映画
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映画/映像