言わずと知れた名プロデューサー、デイヴィット・フォスターの自作を中心としたアルバム『Eleven Words』はその名の通り11の言葉をモチーフにしたピアノ曲集。彼がプロデュースした名曲のようなメロディを期待すると、もしかしたら肩透かしを喰らかも知れない。彼のお気に入りの言葉〈永遠〉や〈愛〉、〈勝利〉と言った曲名から想像される華麗なピアノではなく、あくまでシンプルで、時おり加わる弦楽器のアンサンブルも寄り添うように控えめである。最後の曲“Serenity”(静謐)という曲名が象徴しているように穏やかなピアノ曲で聴いたあとに気持ちが浄化されるようなアルバムです。